Go to contents

「忠武路(チュンムロ)の縁、大学路で再会」

「忠武路(チュンムロ)の縁、大学路で再会」

Posted March. 22, 2004 22:59,   

한국어

「めぐり会える人はいつかは必ず会うものですね。」

デビュー以来、演劇に初めて挑戦する映画俳優のユ・ジテ(28)が、相手役のオ・ダルス(37)に対する言葉だ。彼は、映画「オールドボーイ」に一緒に出演していたオ・ダルスとともに最近演劇練習に明け暮れている。2人は、4月21日ソウル東崇洞大学路(ドンスンドン・テハクロ)の「幸せな劇場」で2人劇「津波」(劇作・演出 李・へジェ)を一緒に公演する。

オ・ダルスは、「オールドボーイ」でチェ・ミンシクに歯が抜かれる私設監房の社長役で見事な演技を披露した俳優。映画の撮影を通じて兄と弟といわんばかりに親しくなった2人は「演劇を一度一緒にやってみよう」と意気投合し、高度な演技の調和が必要な男性2人劇に挑戦した。

○演劇が好きでギャラ500万ウォンで出演

トップスターユ・ジテがこの演劇に出演してもらうギャラは500万ウォン。大学路の演劇俳優たちの平均出演料並みだ。ユ・ジテは「1年に1本ずつ小劇場の演劇舞台に立ったり、低予算短編映画を撮ったりするのがわたしの夢だ。タルスさんと演劇舞台に並んで立つこと自体がわたしには大きな幸運だ」と朗らかな笑い方をした。

ユ・ジテは、最近洪尙秀(ホン・サンス)監督の映画「女は男の未来だ」撮影が終了してから一ヶ月間一日8時間ずつオ・ダルスと演劇の練習に打ち込んできた。映画の中でお腹の出た妻子持ちの男性役を務めるため100kgまで増やした体重を一ヶ月で再び13kgに減らす強行軍を行った。舞台に立つため、発生とトーン、発音、アクセントを磨き上げており、言葉の長短を正確に発音するため、国語辞典もしきりに引いたりもした。演出家の李・へジェ氏は「ユさんは、絶え間なく練習し、自分の内面と対話するまめな俳優だ」と評価した。

「坡州(パジュ)で『オールドボーイ』を撮影する際、スタッフたちがビールを飲みに行くということです。わたしは、ただ1人でいたいと思って宿舎に帰ったんですが、ユさんが自ら車を走らせて来て誘ってくれました。そのときから、先輩を配慮するこの人に対する格別な思いがしたんです。」(オ・ダルス)

○「顔が大きくて表情演技がよく見えるんですって」

演劇俳優としてオ・ダルスの一番の「メリット」は顔が大きいということ。

最近、彼が「ダルス」役に出演している「男子衝動」に多くの男子俳優たちが登場するが、舞台では彼の顔しか見えないほどだ。彼は「誰か芸術の殿堂のオペラハウス2階からもわたしの顔つきが見えるんだそうです」と大声で笑った。

出版会社と印刷所で働いていた彼は、1989年李・ユンテク氏が代表を務めていた釜山(プサン)のカマコル小劇場にパンフレットとポスターを届ける仕事が縁になって、演劇に足を踏み入れるようになった。

映画「オールドボーイ」と演劇「化け物屋敷に日差し」で慶尚道(キョンサンド)方言を披露した彼が「男子衝動」では、暖かく親しみのある全羅道(チョルラド)方言を駆使しており、「津波」では荒っぽい咸鏡道(ハムギョンド)方言を使う。朴・チャンウク監督は、一番好きな演技派俳優として彼をあげた。

ユ・ジテも演技者としてオ・ダルスを尊敬する。ユ氏は6月に15分もの短編映画「一角快楽」を演出する予定だが、主人公(盲人針術師役)に早くもオ・ダルスに目をつけていた。

○足かせで縛り付けられた「銃弾の人間盾」人民軍の実話を描いて

「津波」は韓国戦争当時、仁川(インチョン)上陸作戦で後退していた北朝鮮の人民軍が下級兵士たちを鎖と足かせで縛りつけ、「銃弾の人間盾」で犠牲にしていた実話を素材に使った作品。

ユ・ジテは、日本で留学している途中、北朝鮮入りしたハヨン役を演じ、オ・ダルスは咸鏡道の山奥で薬草を採取して人民軍に入隊したマンピル役を受け持った。2人は、劇中終始鎖に縛られたまま、激しい心理劇を演じる傍ら、アヘンに酔って幻覚の世界におぼれていくなど、悲壮ながらもコミックな 演技を使いこなす。

演出家の李・へジェ氏は「戦争と死という足かせに縛り付けられ90分間死闘を繰り広げる『津波』は、2人の演技力が問われる舞台になるだろう」と述べた。



田承勳  raphy@donga.com