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10人の日本人、韓国に夢中

Posted December. 03, 2004 23:20,   

한국어


「たまらないほど好きだったのに、一晩過ごしたら興味がなくなる男の人がいる。逆に大して思っていなかったり、避けたりしていた男の人だが、思わず体を許したとたんに心を奪われてしまうこともある。私にとって韓国は後者の男と似ている」。

自ら「4分の1の韓国人」と表現する日本の女流小説家の鷺澤崩さんは韓国の魅力についてこう語った。今年の初め、36歳の若さで自殺した彼女は高校3年の時に発表した小説で「文学界の新人賞」をとってデビューした後、祖母が韓国人であることを明らかにし、在日韓国人の苦しみを描いた小説を書いてきた。1993年には延世(ヨンセ)語学堂で半年間韓国語を習いながら、韓国を体験した彼女は漢江(ハンガン)の夜景が余りにもきれいで涙が出るほどだと言っていたという。

「加害者に被害者の痛みがわかるものか。難しいだろう、少しでもその痛みを分かち合える方法はないのか」

写真作家の山本将文(55)さんは日本が犯した悪行を謝罪する気持ちで被爆の韓国人、徴用に連れて行かれてサハリンに抑留されたまま帰ってこられなかった人たち、中国の延辺の朝鮮族、北朝鮮の人たちなど、疎外されて苦しんでいる韓国・朝鮮人を約20年間写真に収めてきた。彼はカメラのレンズに捉えられる韓国・朝鮮人の涙を理解するために韓国・朝鮮語を覚えた。

「雨の日は雨に向かって咲くむくげ」

17の文字で言い表す世界で最も短い詩の俳句作家のマユズミマドカさん(42)は2001〜2002年にかけて釜山(プサン)からソウルまでの500キロの道を季節ごとに分けて徒歩しながら、58の俳句を作って発表した。1999年900キロに上るスペインのサンティアゴを48日間巡礼しながら俳句の旅をしていた彼女は2002年日韓共催のサッカーワールド杯での韓国対スペインの試合をマドリードのカフェーで観戦しながら、韓国を応援していた気丈な女性だ。

この本には日本の共同通信の記者と国民(ククミン)日報の東京特派員出身の著者が身を以って経験した10人の日本人の風変わった韓国愛が盛り込まれている。70歳を越えた大学教授から30代初めのNHKのプロデューサーや歌手など、さまざまな年齢と職業を背景にする彼らは韓国を先入観でみない。「ヨンさま」で韓国に出遭ったわけでもない。ただ、体と心で会い、短所まで魅力として愛する。

来年は乙巳条約100周年になると同時に日韓国交正常化40周年を迎える。韓国では日本に親しいという意味の「親日」はタブーとなっている言葉だ。せいぜい日本に詳しいという「知日」が代わりに通用している。

しかし、この本に出てくる新韓の日本人をみて、私たちはいつまで日本を知っているだけで親しくなってはならないのかと思ってみた。過去のことを忘れてはならず、警戒を緩めてもならない。けれども、頭のなかであるいは歴史書のなかで、剥製になっている日本人ではなく、暖かい血の通う彼らに出遭いたい。



權宰賢 confetti@donga.com