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ソ・ジソプ、暴力団ボス役でカムバック 映画『映画は映画だ』

ソ・ジソプ、暴力団ボス役でカムバック 映画『映画は映画だ』

Posted September. 02, 2008 08:58,   

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ソ・ジソプが復帰した。04年、KBS2ドラマ『ごめん、愛してる』で女心をわしづかみにしたが、突然ソウル麻浦(マポ)区役所の公益勤務要員(代替兵役の一種)になって、去ってしまった男。

ソ・ジソプは11日に公開予定の『映画は映画だ』で、黒いスーツを着こなした暴力団組織の中間級ボス役で復帰する。

同映画は、03年から金基徳(キム・ギトク)監督のスタッフとして働いたチャン・フン監督(33)のデビュー作だ。金監督が作ったオリジナル脚本をもとに、チャン監督がディテールを詰めてシナリオを完成した。

映画は、アクション映画の撮影現場を中心に展開されるストーリーを描く額縁式構成を選んでいる。「映画の中の映画」と組織暴力団を登場させる設定は、ユ・ハ監督の『卑劣な通り』(2006)に似ている。

映画の撮影中に相手俳優に暴力を振るい、苦境に立たされたアクション俳優・スタ(カン・ジファン)が組織暴力団員のカンペ(ソ・ジソプ)に映画の出演を持ちかける。一時、俳優志望だったカンペは、アクションシーンで演技ではなく、実際に格闘するという条件付きで、引き受ける。

「リアルに闘う2人を撮影する映画を描いたストーリー」であるだけに、アクションシーンも臨場感に富む。2人の俳優は、実際に怪我もした。チャン監督は、「実際に闘ってほしいと要請してはいないが、誤って強く殴ってしまった複数のシーンは、最終本に生かす考えだ」と語った。

激しいアクションと退屈しないストーリーが、調和し、展開される映画。ところが、試写会の会場を後にする後味には寂しいものがあった。

『映画は映画だ』のパンフレットには、「人間は闘ってみて、はじめて本物の自分に出会うことができる」と書いてある。泥まみれになるまで、転げあいながら殴りあう干潟での闘いは、闘いから人生の価値を求める人々を描いたデイビット・フィンチャー監督の映画『ファイト・クラブ(Fight Club)』(1999)を思い浮かばせる。

ところが、『映画は映画だ』は体と体のぶつかり合いより、組織暴力団の世界にフォーカスを当てている。暴力団員に悪びれず、立ち向かっていたスタが、ひざまつかせられ、ぼこぼこに殴られ、涙をこぼす場面、撮影を終了したカンペが宿敵を探し当て、無惨に殺害する場面は「力で勝ったものが主人公」という映画の中の台詞を思い出させる。

チャン監督は、「暴力を美化したい気持ちは一向もなかった」と強調した。しかし、カンペの悪業は、わびしさ交じりの平然とした眼差しを光らせるソ・ジソプの演技で、希薄となる。

映画が終わった後、スクリーンの隅には、客席と舞台を描いた縁が挿入されてあった。暴力に対する価値判断なしに、アクションのみを見せることへの批判を、果たして「映画は映画であるだけ」とはぐらかす額縁で、かわすことができるが疑問だ。



sohn@donga.com