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[記者の目] 薬効があらわれない「大使召喚」

[記者の目] 薬効があらわれない「大使召喚」

Posted April. 11, 2001 11:24,   

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韓国政府が日本の歴史教科書の歪曲に対する抗議の表示として10日、崔相竜(チェ・サンリョン)駐日大使を召喚する措置を断行したが、日本政府とメディアの反応は意外にも静まり返っている。

彼らによると、「韓国政府が業務協議のための一時帰国であると説明した」とし、韓国の外交措置が大それたものではないという反応だ。町村信孝日本文部科学相は「韓国が日本政府の立場を理解するだろう」とも話した。 韓国のメディアが一斉に「大使召喚」を大々的に報道し、韓国政府が強硬対応に旋回したと論評しているのとは対照的だ。

外交関係において超強硬措置である「大使召喚」と抗議の意は表わすが、後続協商には積極的に臨む「一時帰国」との意味の差はさて置いて、今回の措置に対して両国が受け入れる態度がどうしてこんなにも異なるのか理解し難い面がある。

日本は今回の措置を韓国政府が世論に押され、どうしようもなく選んだ「国内世論の宥め」として見ているようだ。それで韓国側がこれ以上韓日関係を傷付けるほどの強力な後続措置をとらないと見通しているのが日本のムードだ。教科書問題がいつの間にか韓国の国内問題に変わったと満足している人々も多い。

韓国政府が何を要求しているのかがはっきりしていない点も日本側が緊張しない理由の一つだ。韓国側は「教科書の検定結果を綿密に分析し、日本現地の状況に対する駐日大使の説明を聞いた後、総合的に判断、20日頃、最終的な立場を明らかにする」とされている。韓国政府は「この恨み、必ずや晴らす」など具体性に欠けたまま、怒ってばかりいる様相だ。

感情的で無条件的な強硬論は望ましい韓日関係のためにも必要なものではない。ところが、現状を認められない故に、問い質す事を目的に刃を抜いたなら、対手を緊張させるぐらいの気迫はあるべきではなかろうか。日本の歴史歪曲を繰り返さないためにも、崔大使の「帰国」が有意義な結果へと結ばれる出発点となるべきである。



李英伊(イ・ヨンイ)記者 yes202@donga.com