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[オピニオン]日本、歴史のわい曲を中断せよ

[オピニオン]日本、歴史のわい曲を中断せよ

Posted July. 09, 2001 09:59,   

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7月9日、日本政府は中学校歴史教科書の内容のうち2カ所だけを修正したいと正式に通知してきた。韓国政府が求めた35の訂正要求事項のうち2カ所だけを修正し、近代・現代史の部分はそのままにしておくということ。韓国側の35の訂正要求項目は全て韓国歴史を隠ぺい、わい曲した諸記述に関するものだった。特に、これまで日本の教科書に記述されていた「従軍慰安婦」の問題を削除、縮小したのが主な争点だった。

韓国政府の再修正要求に対し、日本の「新しい歴史教科書をつくる会」は内政干渉だとして「従軍慰安婦」問題の記述などは執筆者の自由だと主張している。もっとも代表的な執筆者の坂本多加雄氏は従軍慰安婦の歴史をトイレの歴史にたとえ、露骨的に女性を蔑視する妄言を行っており、日本の女性らも反発している。

歴史とは世界を眺める共同利害の枠組みだ。とりわけ歴史教育は学生らを普遍的な世界観のなかで理解させることだ。日本の歴史教科書問題を見ていると一体普遍的な世界観と世界的に通用する常識とは何であろうかということを思わざるを得なくなる。

21世紀を迎えて世界は戦争で滲んだ20世紀を反省し、平和の21世紀を念願した。人類が二度と戦争、性的暴力、生体実験、大量な虐殺のような惨酷なことを犯さないことを祈ったのだ。ナチの残忍性を経験したドイツはおよそ30年間にわたってドイツ・ポーランド対話委員会を運営し、両国の歴史教科書に対し勧告案を提示してきた。調査によると、約90%が同勧告案に従って制作されているらしい。

日本の歴史教科書はどうか?日本が主張する歴史教科書の主体は日本国民ではなく天皇であり、政治的支配階層だ。日本の文部科学省の検定制度は、教科書の歴史観がどうであるかは問題視しない。98年の「韓日パートナ・シップの共同宣言」で言及したにもかかわらず、日本政府は共同パートナ・シップである韓国政府の修正要求を正面から否定したのだ。これまでいろんな形で韓国の市民グループと韓国政府が求めてきた誠意ある答弁を完全に無視した訳だ。結局、日本帝国主義の植民地支配による悲しい歴史を治癒する倫理的責任を放棄したものと見るしかない。

韓国のおよそ80の民間団体は、今年3月から「日本教科書の史実わい曲をたて直す運動本部」を結成し日本とアジアの市民グループと連帯してきた。7月9日現在、同運動本部はさらに連帯を強め、日本歴史教科書の再修正要求と不採択運動を展開する構えである。無関心の度を超え冷淡な日本のマスコミに全面広告を掲載し、日本国民に直接訴えるらしい。また問題の教科書を支援している日本企業製品への不買運動も活発に展開されるだろう。

韓国が望むものはアジアの平和だ。真のアジアの平和を実現し日本政府が国際社会の一員として恥かしいことがないようにするためにも、日本はわい曲された教科書をたて直すべきだ。天皇制度、女性差別、植民主義など二重三重の矛盾を抱えている「従軍慰安婦問題」をきちんと記述してこそ、日本は自国の役割を果たしたことになるということを肝に銘ずるべきだ。

金ユンオク(韓国挺身隊問題対策協議会常任代表)