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「国定韓国史教科書」の廃止を求める

Posted August. 08, 2001 10:30,   

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「いまや韓国史教科書廃止議論が新しいテーマになっている」。日本の歴史教科書が波紋を投げかけている中、国内の歴史学者や現場の教師らが国定の韓国史教科書の廃止を求めている。

今年3月に発足した「日本教科書是正運動本部」は今月10日午後2時30分、慶州(キョンジュ)ユースホステルで「歴史教育の正常化に向けた新しい教育過程と教科書制度の摸索」をテーマにシンポジウムを開く予定。

日本の歪曲された歴史教科書の是正を求めてきた運動本部が、今度は国定韓国史教科書を求める形となった。この団体には歴史問題研究所、歴史教育研究会、全国歴史教師会合など8の民間団体が参加している。

現在、韓国では、韓国史編纂委員会によって編纂されている国定教科書が唯一の歴史教科書となっており、中・高校生は誰もが同じ教科書に基づいて歴史を学んでいるのが現状だ。国定韓国史教科書は1974年、朴正煕(パク・チョンヒ)政権時代に導入されたもので、9種の検定教科書を認めている日本とは事情が異なる。

ソウル京東(キョンドン)高校のシン・ピョンチョル教師は、シンポジウム向けの発表文で「現在の国定教科書制度下では、画一的な歴史認識や考え方を押し付けるだけ」だと指摘し、国定教科書に代わる検定制度の実施を提案した。同教師は、「現在の国定韓国史教科書制度は歴史認識における独裁体制に等しい」と主張している。

公州(コンジュ)大学歴史教育学科のチ・スカル教授は、発表文で「国定教科書の廃止を求める主張に対し、教育人的資源部(教育部)は、現在の韓国史教科書が国定教科書ではなく、韓国史編纂委員会の1種図書研究開発委員会により編纂されているいわゆる『1種教科書』だと主張しているが、政府が韓国史教科書の執筆に過渡に介入している以上、国定教科書には変わりない」と主張した。

教授は、「現在の国定韓国史教科書は民族に対する忠誠と服従を押し付けており、歴史上の事実を意図的に歪曲している」とし、「旧態依然とした国家論および民族論から大幅に抜け出さなければならない」と強調した。

今回のシンポジウムでは、教科書の内容だけでなく教育過程で生じる問題点まで話し合われる予定だ。

韓国教育過程評価院のイ・ミョンヒ研究員は、日本植民地支配からの独立後、近代的な歴史教育が始まってから50年以上過ぎているが、歴史教育の目標と内容構成に対する見直しが一度も体系的に行われなかったと指摘した。特に、情報化、世界化、高齢化、新しい南北関係の進展など、急激な社会変化を迎えている時点で、歴史教育がどのような方向へ進むべきなのかについての議論が急がれているという指摘だ。

一方では、こうした歴史教育強化をめぐる議論を必ずしも純粋な意図とは見なしておらず、歴史学界がこれを通じて教育現場で自らの立場の強化を図ろうとしていると批判している。

ソウル大学歴史教育学科のヤン・ホファン教授は、発表文で「歴史学界と教育界はこうした誤解を払拭させるために、『より多くのものを教えるべきだ』という主張に止まらず、『どんな内容をどういうふうに教えるべきか』という問題についても真剣に考えなければならない」と主張した。



skkim@donga.com