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[オピニオン]サンマ操業、日本の対応は非現実的

[オピニオン]サンマ操業、日本の対応は非現実的

Posted August. 09, 2001 09:52,   

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韓国とロシアが政府間協定を結び、ロシアから操業許可を受けた韓国漁船が南クリル周辺水域でサンマ操業に乗り出たことから、この問題が韓日ロ3国間の外交紛争へと飛火した。日本はこれを「日本の主権的権利を侵害する行為だ」と主張している。

事実、日露関係は韓国の利益に直接・間接的に影響を及ぼす。そのような日ロ関係を規定する重要な要素のひとつが北方領土問題だ。

1956年の日ソ共同宣言には、二島(歯舞と色丹)を両国間で平和条約を締結した後にソ連が日本に引き渡すという条項がある。しかし60年、ソ連は外国の軍隊が日本から撤収しなければならないという追加条件を一方的に日本に通告した。その後久しく、共同宣言の有効性をめぐって両国の対立は続いた。また、1973年発表された日ソ共同声明には、両国間の「未解決の諸問題」云々という一節があるのだが、その「諸問題」に領土問題が含まれるか否かをめぐり両国は30年間論争を繰り返してきた。

日本の対ソ連(ロシア)外交は、相手に領土問題の存在を確認させようという努力に終始してきたと言っても過言ではない程、領土問題への日本の執念は根強い。日本は、時に柔軟な姿勢を取ることもあったが、「領土問題の解決なしに大規模経済協力は不可」という政経分離不可論の政策を堅持してきた。

ソ連(ロシア)は、ゴルバチョフ政権時から次第に現実的姿勢を見せ始め、北方四島の帰属問題を討議するとことを文書化するのに応じるに至った。しかし、四島全部はさることながら、そのうちの二島に関しても、ロシアが自ら返還意思を表したことはない。仮りに日本が小さな二島の返還に満足し、残りの二島に対する領有権を諦める平和条約に応じるならば、 ロシアは前向きに対応するはずだ。だが、そのような方法は、日本としてはとうてい受け入れがたい。

二島をまず取り戻し、残り二島に対してはロシアが日本の主権を認めるならばその返還時期については柔軟に対処できるというのが、橋本龍太郎首相時代の構想だった。このような「二島先行返還論」は、小渕恵三首相に継承され、森嘉郎首相当時、時差をつけて分離返還することを前提とした別途の交渉に合意する方向へと進展した。しかし、小泉純一郎政権の主要官僚らは、分離交渉論に反対し、四島の一括返還を前提とした従来のアプローチを主張している。

結論的に言えば、近い将来、日露間の領土紛争が解決する可能性は殆どない。この問題は、今後も両国間の政治、経済、その他様々な分野での関係発展のネックとなる主な要因であり続けるだろう。

北方領土問題は、民族的感情がからんだ敏感な問題だ。そのような領土の周辺水域で韓国漁船がロシア政府の許可を得て、現在操業をしている。操業問題は、純粋に商業および漁業の問題であって、日露間の領有権問題とは無関係であり、日露どちらか一方の立場を傷づけるものでないというのが、韓国政府の立場だ。ロシアも、日本の抗議と操業許可の取消を求める要求を拒否した。

サンマ操業問題に対する日本政府の対応は、時期的に遅かった上に法理論に偏った非現実的なものだった。韓ロ間の協定は昨年12月に結ばれたのに、日本政府が本格的に対応し始めたのは今年3月頃だった。

このように対応が遅れたことは、国内政治の混迷に外務省機密費流用事件、田中真紀子外相と外交官僚間の問題などによって外務省の機能が麻痺したためとされる。また、自民党内の族議員らと該当選挙区出身議員らの圧力が外交当局の柔軟な対応を困難にした。

三陸水域での韓国漁船のサンマ操業許可問題を日本政府がどのように扱うことになろうと、日本側は今回の事件に対する異議申立ての事実をしっかりと記録に残し、今後も日本の領有権の主張におよぼすダメージを最小化するための外交努力を続けるだろう。

キム・ヨンジン(米ジョージワシントン大名誉教授兼慶応大客員教授)