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アフリカのNGOが「奴隷貿易の賠償」を求める

アフリカのNGOが「奴隷貿易の賠償」を求める

Posted August. 25, 2001 10:19,   

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18年ぶりに開かれる国連の世界人種差別撤廃会議(WCAR)を一週間後に控えて、アフリカの40の団体が所属している非政府機構(NGO)連合体は23日、WCARが奴隷制度を反人倫犯罪として認めるよう促す一方、奴隷貿易を行っていた当事国らについて賠償を求めた。

31日から来月7日まで南アフリカ共和国のダーバンで開催されるWCARに参加するアフリカ人権擁護連合のアリオウネ・ティネ氏は、セネガルのダカールで発表した声明で「黒人の奴隷化と植民主義がアフリカ人に対する差別を深化させるのに重大な役割をした」と主張した。

また、アラプ首長国連邦の外相らは23日、WCARでイスラエルのシオニズムを人種差別の規定に向けて全力を尽くす方針だと明らかにした。シオニズムはパレスチナにイスラエル建国理念であるユダヤ民族国家を建国しようとするユダヤ民族主義運動を意味する。

奴隷制は反人倫犯罪として認め、シオニズムを人種差別として規定すべきというような主張は、194カ国の政府と民間団体で合わせて1万4000名余りが参加した中、18年ぶりに開催されるWCARで大きな波紋を広げるとみられている。

奴隷制とシオニズムの問題はとても重大かつ敏感な事案であることから、約100カ国の代表らが先月末から今月初めまでスイスのジュネーブで準備会合を行い、WCARの閉幕の際に採択する宣言文と行動計画の文案をめぐって話し合ったが合意には詰められなかった。

米国と欧州各国は奴隷貿易に対する遺憾の意を示すことは検討しているが、公式謝罪と賠償問題を議題として取り上げるのは強く反対している。シオニズム問題も、イスラエルを意識し論議してはならないという姿勢を示している。

米国は奴隷賠償などが議題となるなら会議をボイコットすると表明した。米国は1978年と1983年の会議の際にもシオニズムが議題に含まれたため、会議に不参加した。

半面、アフリカ諸国と国際人権団体は今回の会議を機に、奴隷制の問題を法的、経済的に完全に清算しようという主張を展開している。まだ、アラブ首長国連邦はイスラエルのパレスチナ占領問題を必ず取り上げるべきだと主張している。

今会議ではこのほかにも、インドのカースト制度(身元差別制度)と欧州における外国人の嫌悪主義も取り上げる予定。

行動計画の調整案には「歴史などの教科書をはじめ、人権に関する教育資料を改善する」という文が盛り込まれたのも関心を集めている。これは最近、日本の歴史教科書の歪曲問題が影響を及ぼしたものと分析されている。



李鍾鎡 taylor55@donga.com