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[書評]致命的な日本

Posted January. 12, 2002 11:27,   

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バブル経済をはじめ、日本の現状や将来について、議論が相次いでいる。日本は近く不況から抜け出し、再び発展をおう歌すると見込んでいる人もいるかと思うと、日本はすでに墜落の道へ差し掛かったと思う人もいる。

英国生まれで35年間日本で暮らし、慶応大学を卒業した著者は、日本社会の底に根付いている致命的症状をあからさまに批判している。「失われた日本(1994)」で外国人作家に与えられる新潮国際文学賞を受賞した著者は、日本とタイを行き来しながら、作家兼文化コンテンツ分野のビジネスマンとしても活動している。

この本は去年、米国で「Dogs and Demons」という題で出版されて、話題を集めたもので、韓国に次いですぐ日本でも有名出版社の講談社に翻訳・出版される予定となっている。

著者は一言で言って、日本はいま鬼、つまり幻を追っているとみている。その鬼は実質的な目的のない土木建設、独立的思考能力を育てられない詰め込み式教育、文化事業という名の下で行われている旧都市の破壊、実質配当金の支払いもなく、国際的競争力も備えていない証券会社、世界からの孤立を深めている世界化、空の支出を助長する官僚主義、子ども向けにかたよった映画産業、粉飾会計で成り立っている企業の貸借対照表、環境に無頓着な環境当局、十分試験されていない模倣薬品の発売、隠ぺいや操作、嘘に過ぎない情報、野菜の輸送のために建てたというが、全然役立っていない空港などなどで、姿を変えて現れているというのだ。

著者の主張に完全に同意できないとしても、日本の現状に対する正確な診断には考えさせられることが多いと思う。

アレックス・カー著/イ・ナギョン訳/弘益出版社



kimcs@donga.com