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海抜4100メートルにある島、ペルー・チカチカ湖

海抜4100メートルにある島、ペルー・チカチカ湖

Posted February. 09, 2002 11:06,   

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世界で最も高いところにある広大なチチカカ湖(海抜3810メートル、淡水湖)の、ほぼ真中に位置するヤマンタニ島。この島に住むベニグノ・カラタ氏(32)を訪ねた先月の末、彼は屋根の上に取付けられた2.5㎡程の太陽熱集熱板に溜まった水気を拭き取っていた。海抜4120メートルの地点に建てられた彼の自宅の屋上から見渡すと、隣人の家にもほとんど太陽熱集熱板が取付けられていた。

東西方面にペルーとボリビア国境線が走っており、オクシデンタル、ロイヤルなどアンデス山脈に連なる6000メートル級の山々と、イラべ川を含む4つの大きな川が作り上げたチチカカ湖(Titicaca)は、広さ8560平方キロメートルで、わが国の忠清北道(チュンチョンブクド)くらいの面積の湖。

ペルー中部にあるこの湖には、無人島を含め大小100余りの島が散在している。このなかで、一番大きいアマンタニ島には、およそ1500世帯、タキレ島には500世帯余りが暮らしている。湖の中の島々に住む住人は、政府から電気はもちろん水道の供給も受けていない。

フジモリ政権下の2年前までは、ここアマンタニと最寄のタキレ、ウロス島にも電力を供給するための架設工事が行われていた。湖に隣接したプノ市から、大型モーターボートに電信柱を運んできて敷設した。ところが、昨年後半にトレド政権が発足すると、政府関係者らは前政権との差別性を打ち出しながら、電信柱を回収し始めた。水道水の代りに、再びチチカカ湖の水を汲んで来なければならなかった。

結局、アマンタニ・タキレ・ウロス島の住民代表らは、およそ2000キロメートル離れたペルーの首都リマにある、太陽熱の専門家のもとを訪ねて行った。今のような雨季でも、昼間は日差しが強く、太陽に最も近い湖と言われるチチカカ湖の特性を利用することにしたのだ。彼らは、集熱板を取付ける世帯ごとに5年間、毎年525ソレス(約21万ウォン)を払うことにした。太陽熱電気を使うようになってから、ごみの量は平均28%減少した。

チチカカ湖の住人は、じゃがいもとキヌアと呼ばれるスープ用の野菜などを栽培するかたわら、湖からトルーチャ(マス)など魚を捕るといった、半農半漁の生活を営んでいる。彼らはチチカカ湖と周りの山々から、自然とともに暮らす方法を教わってきた。彼らにとってアンデス山脈とチチカカ湖は、二つではなく即ち一つ(山水一如)なのだ。山と水と人間の暮らしが一体となっているのだ。

チチカカ湖が、1年中エメラルド色をした10度未満の冷たい水温を保てる理由は、あまりの高地であるうえ、アンデスが熱い気運を遮っているからである。そのため、ここの住人たちは南半球の真夏にあたる1月にも、夜になると毛糸で編んだ山高帽をかぶる。気温が低いため、コメを栽培することもできない。

チチカカの人々の暮らし方は興味深い。環境を守りながら、同時にそれを利用して生きる方法を、彼らは独自に創り出したのである。

この湖に自生する「トトラ」という直径2センチくらいのアシは、ウロス島の住人にとっては建築材料であると同時に、トイレの役割まで果している。トトラは、湖底から水面上に伸びると自ずと折れて、ござのように広がる。彼らは、このトトラで漁に使う船の「バルサ」を造り「チョサ」と呼ばれる家も造る。

トトラの長所は、何でも吸い込んでしまうことだ。そのため、彼らにはトイレというものがない。陸から仕入れたバケツに用を済ませてトトラの中に捨てると、チチカカを汚染させずに自然分解してしまう。

カラタ氏は、海抜4300メートルのアマンタニ島の頂上に残されている、チチカカの古代遺跡に案内してくれた。神聖なる光を象徴する「パチャタタ」、潤う大地を表す「パチャママ」、そして神聖なる水「ママコチャ」の、3大精霊が宿る所だと説明してくれた。

遺跡からふと目を向けると、チチカカのさざなみとそれ自体で高峰峻嶺を織り成している周りの島々が、けんらんと輝いていた。



李承憲 ddr@donga.com