Go to contents

偽りの世界史を裏返して見る

Posted March. 23, 2002 09:28,   

한국어

「世界をだましたうそ」

イ・ジョンホ著/288ページ、8500ウォン、トゥインドル

「陰謀と執着の歴史」

コリン・エバンス著、イ・ジョンイン訳/388ページ、1万5000ウォン、イマゴ

文定王后(ムンジョンワンフ、朝鮮王朝11代の王中宗の継妃)と敬嬪(キョンビン、中宗の側室)との一本勝負は、文定王后の圧倒的な勝利に終わった。火にあぶったネズミを、皇太子の寝殿にかけておいたとする「灼鼠(ジャクソ)の変」を、文定王后側で敬嬪の仕業に仕立て上げ、成功したもの。

全国民の目と耳を釘付けにしているというテレビの時代劇ドラマでも「対決」と「うそ」は欠かせない。

いわんや、世界史全体を裏返してみれば、いかに多くのライバルと、からくりが見出せるのだろうか。

「世界をだましたうそ」が取り上げている詐欺劇の方向は、事実上3つに分けられる。当代の敵を相手取った欺まん術、時代全体に対する欺まん、今日の読者をだましてしまう歴史的な錯誤が、その3つ。

最初のケースの代表的な例は、第2次世界大戦当時、連合国によるノルマンディー上陸作戦である。連合軍は、とんでもないところに爆弾を落とし、拡声器で騒音をとどろかせながらノルマンディーに兵力を移動させる、陽動作戦を展開して成功に導いた。2番目の代表的なケースは、原人の頭がい骨とオランウータンのあごの骨をつなぎ合わせた「ピルトダウン人からくり事件」。40年もの間、学者たちをだましたこの詐欺劇は、1950年代に「フッ素年代測定法」が開発されて、ようやく実態を露わにした。

今日、読者すらだましている「歴史的詐欺」の代表的なケースとして「ガリレイの裁判」が挙げられる。

知られているのとは違って、教会は地動説に敵対的ではなかった。ただ、科学的な証拠をガリレイに求めたところ、彼がそれを拒んだために審判を受けたというのだ。ガリレイが法廷を後にしながらつぶやいたとされる「それでも地球は回る」という言葉は、真実を追究する歴史家らを「狂わせてしまいそうな」くらいだ。

「陰謀と執着の歴史」は、世界史上10大ライバルたちの一大勝負を取上げた本。エリザベス1世とメリー女王、スターリンとトロツキーの権力争いから、アムンゼンとスコットの南極探検ドラマまで、幅広く取上げている。

アムンゼンは、極地探検最後の勝利者だったのか。スコットの無計画性が、探検の成敗だけでなく、自らの生死まで決めていたという事実には、疑いの余地がない。ところが、文学的な感動に満ちたスコットの「敗北の記録」は、英国国民を感動させ、第1次世界大戦の結果にまで影響を及ぼした。一方、アムンゼンは「スコットを助けて、死から救うこともできた」という罪意識に、生涯悩まされなければならなかった…。



劉潤鐘 gustav@donga.com