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双子の赤字・ドル安 韓国経済へ悪影響の恐れ

双子の赤字・ドル安 韓国経済へ悪影響の恐れ

Posted June. 15, 2002 00:16,   

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1980年代、米国経済に重く伸し掛かっていた経常収支赤字と財政赤字の「双子の赤字」が再現している。

これによって、ドル安に転じるとともに、米国の証券市場、債券市場に流入していた国際投資資金が、徐々に抜け出していくなどの影響が現れている。

▲5年ぶりの「双子の赤字」〓ニューヨークで起きた同時多発テロなどによる景気低迷にもかかわらず、米国経済は昨年「旺盛な」輸入の需要を誇りながら、4174億ドルの経常収支赤字を計上した。ゆるやかな景気回復が見込まれる今年は、経常収支赤字の規模がさらに拡大して、国内総生産(GDP)比5%台の5000億ドルを超えると見込まれる。

さらに、1998年から黒字を維持していた財政収支が、今年は赤字に転じることが確実になってきた。専門家らは、証券市場の低迷により資本所得税の収入が減少した反面、国防費の支出と農業予算が昨年比20%増となったことから、今年の財政赤字は1500億ドルに達する可能性があると展望している。

▲世界経済の回復に影響〓米国の経常収支赤字幅の拡大と企業利益の減少は、すでに最近のドル安をもたらしている。今年2月、ドル相場は1ドル=134.71円台まで円安・ドル高となったものの、5月30日には1ドル=123.35円まで落ち込んだ。

このため、経常収支赤字を埋め合わせていた外国資本が、徐々に米国の外へと抜け出ていくものとみられる。

国際通貨基金(IMF)は最近の報告書の中で、ドル安がさらに進めば急激な資金の流出が生じて、国際金融市場が取り返しのつかない事態に陥る可能性があると警告した。これに、財政赤字まで加わると、そのしわ寄せはさらに拡大する。

LG経済研究院のイ・チャンソン研究委員は「今のところ安定しているものの、財政赤字の累積で金利がはね上がると、消費投資のい縮を招いて、韓国、日本、ヨーロッパ経済の景気低迷につながる可能性が高い」と警告した。財政経済部のシン・ジェユン国際金融課長は「米国の通商圧力が強まる一方、米国市場に魅力を失った国際投機資本の、韓国などアジアへの進出もあり得る」として「資本の流出入が頻繁になり、安定性が損なわれる可能性がある」との懸念を示した。



朴來正 ecopark@donga.com