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ドイツの相次ぐ「タブー崩し」 9月の総選挙控え民族主義強める

ドイツの相次ぐ「タブー崩し」 9月の総選挙控え民族主義強める

Posted August. 05, 2002 22:25,   

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9月の総選挙を前にしたドイツが、第2次世界大戦以降のタブーを崩し始めた。ナチスと世界第2次大戦の負債を背負ってきた「戦後ドイツ」は民族主義の性向をさらけ出すこと自体がタブーだた。しかし、21世紀を迎えて初めて行われる総選挙を控えて、民族主義の色彩をさらけ出すのはもちろん、タブー中のタブーだった反ユダヤ問題までおおっぴらに論議されている。

▲民族主義選挙運動〓今年5月、シュレーダー首相は、反ユダヤ主義の人気作家マルティン・バルジャーと愛国心をテーマに公開討論を行った。

バルジャーは「ホロコスト(ユダヤ人の大量虐殺)は戦後ドイツ人にとって『道徳的なムチ』として乱用されてきた」と発言し、ドイツ内のユダヤ人を憤らせた人物。最近は、ホロコスト生存者で、ドイツ文学批評の巨匠と呼ばれるユダヤ人出身のマルシェル・ライヒ・ラニキを露骨に非難した「ある批評家の死」という小説を発表した。

外電などによると、今までは、反ユダヤ主義者と現職の首相が選挙を控えて愛国心をめぐる公開討論を行うこと自体がドイツではダブー視されてきたという。

シュトイバー党首は最近「1945年にシュデテン地域のドイツ人を追放したチェコがその政策の廃棄を宣言しない以上、欧州連合(EU)への加盟を認めてはならない」と主張した。

第2次世界大戦当時、シュデテンのドイツ人指導者がヒトラーに協力した事実を振り返えると、彼の発言はやぶ蛇だった。いくら追放されたとは言え、第2次大戦でドイツ人は被害者だったかもしれないと、口にすること自体タブーだった。

群小野党の自民党のユエルゲン・モエルマン党首も、「反ユダヤ主義にはユダヤ人の責任も一部ある」という趣旨の発言をしユダヤ人を興奮させた。

▲分析と見通し〓ドイツのマスコミは、「ドイツ人は新世紀を迎えて、20世紀後半に重くのしかかっていたアウシュビッツの悪夢から脱することを強く望んでいる」と報じている。政権党の社民党より民族主義の色彩の強いキリスト教民主・社会同盟の支持率が高いのもそれと無縁ではないという。

西ヨーロッパで右派が勢力を確実に伸ばし、国家別民族主義が強調されている傾向にも影響されたとみられる。

ヨーロッパの周辺各国は、このようなドイツ政治の変化に敏感な反応を見せていない様子だ。それは、ドイツではフランスのジャン・マリ・ルペンのような極右派が躍進する可能性が薄いからだ。何よりも日本と違って第2次大戦後のドイツは、徹底した謝罪などによって戦後処理をきちんと行っている。



朴濟均 phark@donga.com