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アジア大会は終わったが、北朝鮮に対する認識は混乱した

アジア大会は終わったが、北朝鮮に対する認識は混乱した

Posted October. 15, 2002 22:39,   

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釜山(プサン)アジア競技大会が開かれていた16日間、数々の話題を呼び起こした朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の選手団と応援団が15日、北朝鮮に帰った。今回の大会に参加した北朝鮮の選手団のうち、残りの161人と応援団291人が15日午後、それぞれ高麗(コリョ)航空の旅客機と客船「万景峰(マンギョンボン)92」号に乗って、平壌(ピョンヤン)と元山(ウォンサン)に帰った。

これまで北朝鮮の選手団と応援団には熱の帯びた応援と拍手が送られたものの、彼らに対する批判と拒否反応を示した市民も少なくなかった。

専門家らは史上最大規模の北朝鮮側の選手団と応援団が長期滞在して、国民の対北朝鮮に対する認識が混乱する現象もみられたと指摘した。したがって感情に惑わされない現実的な対北朝鮮パラダイムを成立させるべき時期にきているという声も高い。

▲なびき乱れた人共旗〓国民はアジア競技大会が開かれていた間ずっと人民共和国旗(人共旗)がなびくのを見守った。競技場では北朝鮮の国歌も響いた。一部の若者は「北朝鮮の国歌の歌詞とメロディーが素晴らしい」という反応まで見せた。

政府は当初、競技場内に限って人共旗の掲揚を認める方針を決めていたが、テレビとインターネットなどを通じて、人共旗は事実上すべての国民に露出された。人共旗を眺める市民たちは混乱を覚えた。閉会式を見た金(46、会社員)某氏は「閉会式で人共旗がなびくのを見て、どう受け入れたらよいのか判断が立たなかった」と話した。

▲ブレークのかからない「北シンドローム」〓アジア競技大会の間、ずっと北朝鮮の選手と応援団に対する「シンドローム」は消えることを知らなかった。インターネットでは北朝鮮の男子バスケットボールのスター、リ・ミョンフン選手と柔道のケ・スンヒ選手、それから応援団のリーダー、リ・ミョンヒ氏のファンクラブのホームページまで登場し、会員数が数万人に達した。北朝鮮の美女応援団は、行く先々で人気を集めた。数十人の青少年は、「人気芸能人」扱いして、彼女らが姿を現す所々に陣取って、サイン攻勢を仕掛けた。

したがって、北朝鮮側が彼らを使って、韓国国民に「美人局」を駆使しようとしたのならば、一応成功したという指摘も出ている。しかし、美女たちによるさまざまなパフォーマンスを見ながら「住民が飢え死にしかけているという北朝鮮の現実とはかなり掛け離れているため、混乱を覚えた」という市民も少なくなかった。

▲法制度の混乱〓8日、万景峰号周辺で金(50)某氏が「滅共」と書いたステッカーを車に貼り付けてデモを行って、警察に連行された。警察は適正な処罰規定がないことから、無免許運転で金氏の身柄を一時拘束してから、帰らせた。

北朝鮮を主敵として位置付けた教育を受けてきた軍人と警察官の心境はさらに複雑だった。北朝鮮選手の警護任務を引き受けていた警察幹部は、「北朝鮮選手団の警護をやらせてもらって嬉しいけど、一方では僕が今何をやっているのか分からない気がした。『南北和解』という一言でこれまでの教育や国家保安法は意味がないと思われた」と述べた。

▲専門家の診断〓慶南(キョンナム)大学北朝鮮大学院の朴在圭(パク・ジェギュ、58、元統一部長官)院長は、「主敵の概念問題は議論の余地が多いが、戦争の脅威が完全に消えていないだけに削除することはできない」とし、現実的は判断をしなければならないと指摘した。彼は、「しかし、これから南北交流がさらに広がる場合に備え、制度と民族感情が調和をなすことが重要だ」と述べた。

三星(サムスン)経済研究所の董龍昇(トン・ヨンスン)北朝鮮研究チーム長は、「北朝鮮側の選手団と応援団に対する関心と熱気は、南北が対立している状況をどのように改めて、関係改善を模索していくかを考えさせる契機となった。今度の行事を『一時の思い出』に終わらせず、南北問題の解決に向けた討論と議論の場を設けるべきだ」と述べた。



mobidic@donga.com