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[オピニオン]不可侵条約

Posted November. 04, 2002 22:56,   

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北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が、最近、米国に対して「不可侵条約」締結を求めている。10月初めに、ケリー米国務次官補が大統領特使として平壌(ピョンヤン)を訪問した際、北朝鮮が自ら明らかにした秘密核開発計画を無条件に廃棄せよという米国の要求に対して、北朝鮮は10・25外務省談話を通じて「米国がまず不可侵を確約するなら、米国の安保上の憂慮を解消する用意がある」と応じた。北朝鮮が真に核問題の解決を望むのか、それとも行けるところまで行くという空威張りなのか、見守る必要がある。

◆不可侵条約とは、武力攻撃をしないことを約束する国家間条約である。軍事同盟や相互援助条約が、第3国との戦争の可能性に備えた軍事的措置なら、不可侵条約は、戦争の可能性を排除するための一種の政治軍事的信頼構築措置といえる。不可侵条約は、よく条約当事国の政治的かつ軍事的便宜を図るための手段として利用されるが、違反時には效果的な制裁手段がないのが常例であったため、歴史的にも不可侵条約はどちらか一方によって破棄されることが常であった。すべての戦争を違法とし戦争放棄を宣言したパリ条約(1928)、ドイツ・ポーランド不可侵(1934)、ドイツ・ソ連不可侵(1939)、日本・ソ連不可侵条約(1941)などが、すべて破棄されて当事国間の戦争へとつながった。

◆韓国と北朝鮮も、1992年の「南北間の和解と不可侵及び交流・協力に関する合意書」で、相手に武力を行使せず、紛争問題を平和的に解決し、不可侵区域はこれまで双方が管轄してきた区域とする、と約束した。しかし北朝鮮は、不可侵の約束後も、海上、水中からの侵入をやめず、韓国の北方限界線(NLL)を違法侵犯することが茶飯事であった。不可侵の約束が守られなかったのだ。1999年の、延坪(ヨンピョン)海戦や今年6月の西海(ソヘ)砲撃戦は、このような事実を証明する代表的なケースである。

◆このような北朝鮮が、今また米国に対して不可侵条約の締結を申し入れた。米国によって「悪の枢軸」と規定された北朝鮮が、核兵器開発という致命的な約束違反問題をそのままにして、まず米国との不可侵条約締結を求め、さもなければ「衝突は避けられない」という脅しもためらわないのである。北朝鮮が、このような大胆に出る背景は何か。北朝鮮は、米国の不可侵確約を求める前に、まず10年前の南北間不可侵約束と非核化共同宣言、そして8年前の米朝枠組み条約など、すでに締結された合意事項を尊重し順守する姿勢を示すことが、問題解決のカギとなるだろう。

朴庸玉(パク・ヨンオク)客員論説委員(元国防部次官) yongokp@hanmail.net