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[オピニオン]共産党宣言

Posted November. 20, 2002 22:42,   

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1848年、カール・マルクスとフリードリッヒ・エンゲルスが共同執筆した「共産党宣言」は、史上最も優れた政治冊子のひとつに数えられる。これまで世界200の言語に翻訳され、聖書の次ぎに多く読まれたと評価されるほどだ。「プロレタリアはこの革命によって鉄鎖のほかに失う何ものもない。彼らの得るものは全世界である。 万国のプロレタリア団結せよ」という有名なせん動文句で終るこの小さな冊子が、人類に与えた影響はばく大である。1917年のロシアのボルシェビッキ革命から90年代初めの旧ソ連と東欧国家の没落の時まで、この冊子が唱えた共産主義思想は、一時期「世界の半分」を支配した。

◆しかし世界史は「共産党宣言」の予言どおりには変わらなかった。「階級闘争による資本主義の必然的没落」とは反対に、共産主義の大々的な崩壊が続いた。150年余りの歴史の中で解放されたのは人類ではなく、市場資本主義であった。そのため、フランシス・フクヤマのような学者は、西欧の自由主義に対抗するだけの理念的対案は完全に消えたという意味で「歴史の終末」を主張した。もはや共産主義は、文字どおり「旧時代の遺物」になってしまった。引き下ろされて放置されたままのレーニンの銅像のようにである。

◆先日、共産主義の退潮を示す象徴的なことがあった。中国が、共産党憲法に当たる党章としてこれまで基本綱領としてきた「共産党宣言」という表現を削除したことである。改定された党章には、マルクス・レーニン主義は残っているというが、中国が共産主義に市場経済的要素を加味した独特な体制を運営していることは、世界周知の事実である。資本家の共産党入党まで許可した中国であるから、この程度のことで驚くことはないが、もしマルクスが生き返って今日の中国を見たら、何と言うだろうか。

◆ならば資本主義は、今後確固不動な真理として、長期間君臨できるだろうか。「第3の道」を唱えたアンソニー・ギデンズは「対案がないだけに、資本主義をどのくらい、そしていかなる方法で統制するかは今後の課題」と述べた。そのような点で、プロレタリア革命を強調したマルクスの「処方」は間違いであったが、彼の「診断」に注目した学者たちは今でも多い。資本主義が、独占的な資本蓄積を通じて世界を分裂と苦痛に導くといったマルクスの主張が、今日の「カジノ資本主義」の属性と幾分合っているとみるためである。そうみるなら、19世紀半ばにヨーロッパをはいかいした「共産主義のよう怪」は、今も消えていないのだろうか。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com