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「強制出国」に従えそうにない朝鮮族の人たち

「強制出国」に従えそうにない朝鮮族の人たち

Posted December. 04, 2002 22:36,   

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「出て行かなければならないが、出て行けない人たち」

中国在住の韓国人ベク・ヨンス(33)氏夫婦は、このごろ毎晩眠れずにいる。壁時計の秒針の音がさらに大きく耳に響く。同氏は100日後には中国に強制出国になる。

同氏は、2年9カ月にわたる韓国生活の間「コリアンドリーム」を実現したどころか、中国から出る時に親戚から借りた金を含めて2000万ウォンにのぼる借金に苦しめられている。ベク氏は、韓国でようやく用意できたわずかな金も、ひき逃げ交通事故の後遺症で通院治療中の夫人のために全部使ってしまった。

ベク氏は、中国へ戻ると、月10万ウォンくらいの収入しかあげられないことをよく知っている。そのため、毎晩2000万ウォンを返すために終生を「借金の奴れい」として生きていく自身の姿を、悪夢で見ているという。

韓国政府が3年以上居住した外国人労働者を追放するとした期限は、来年3月31日。政府に対して、彼らの滞在延長の訴願審査を要請するために努力している朝鮮族(中国在住の韓国系中国人のこと)教会の徐京錫(ソ・キョンソク)牧師には、ベク氏のような切ない訴えが殺到している。

中国へ帰れば、治療が不可能な病気を病んでいる夫とそれを見守る妻、1年近く食堂で働いたにもかかわらず賃金1000万ウォンを受け取れずにいる70代の女性、韓国の福祉団体の助けで無料で腎臓透析を受けているが、中国では治療する方法のない60代の男性、韓国内で500万ウォンの詐欺にあった後、裁判の結果を待っている30代の男性など。

政府は最近「外国労働者制度の補完策」を作り、来年3月31日で3年以上滞在した外国人は無条件に出国させるとの方針を固めた。また2年以上3年未満の人は、3年になる時まで滞在を許すとの計画だ。

だが、滞在期間だけを基準にした政府の方針は「出て行けない人々」を「陰地」に潜らせる副作用を産む可能性が大きいとの指摘がある。

朝鮮族教会が中国同胞436人を対象に、今月1日アンケート調査を行ったところ、回答者の61%にあたる266人が「政府が出した補完策には従わない」と回答した。「政府の政策に従いたい」と回答した人は78人(18%)だけだった。

朝鮮族教会の徐京錫牧師は「政府の強制出国方針は、同胞らの止むを得ない現実的な事情を無視しているために、失敗する可能性が非常に高い」との考えを示したうえで「別の委員会を設け、選別してから追放を決めなければならない」と強調した。



buddy@donga.com