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[オピニオン]個人情報のハッキング

Posted May. 15, 2003 22:05,   

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事務所勤めのサラリーマンは出勤すると、コンピューターをつけてeメールを読むことから一日の日課を始める、と言うのが情報化時代の会社の風景だ。さらに正確に言えば、読まなくてもよいeメールを削除することから一日の業務を始めるのだ。本当に読まなければならないメールよりはスパム・メールもしくはいかがわしいメールが圧倒的に多い。「ねえ、遊ばない」、「水虫で悩んでませんか」などのスパム・メールを削除していくと、業務上確認しなければならないメールまでも削除するミスを冒したりする。夜の間に送られたインターネットのごみ箱の中から必要な情報だけを選りすぐる作業に対するストレスは結構苦しい。

◆ジャンク・メールで利用者が負担する費用が世界的に年間100億ドルに上るという報告書もあった。ジャンク・メールの生産者はいったいどこからメールのアドレスを得て、個人的な情報をどのように探り出したのだろうか。ホームページの掲示板、コミュニティーに上がっているeメールの住所をかき集める方法は原始的だと言える。クレジット・カード、携帯電話、インターネット・サービス会社は、サービス利用のための会員加入の際に顧客が提供した個人情報に購買力、消費傾向などを付け加える。このように蓄積された個人情報を、企業は顧客の同意なしに共有したり、密かにダウン・ロードして売り渡す犯罪も出てくる。

◆個人情報の重要性や流出の危険性に対する認識が高くなかった時代には、ネチズンはeメールのサービス利用のために個人情報をインターネット会社に提供した。数多くのインターネット会社が明滅する中、これらの会社に提供された個人情報はその後どうなったのだろうか。インターネット・インフラは世界最高の水準だが、個人情報管理者の倫理意識と保安技術は非常に恥ずかしい水準なため安心できない。企業はハッカーが顧客情報を丸ごと盗んでいったのに、警察が知らせてくれるまでハッキングされたことも知らなかったほどだ。大手クレジット・カード会社が顧客の金融や個人情報を保険会社に提供して、その手数料を取ったこともあった。

◆個人情報は、徹底した保護を受けなければならないプライバシーに属する。情報化時代でのプライバシーとは、私生活の侵害を受けずに、コミュニケーションの秘密を補償される権利のみならず、個人情報に対する統制権までも含められている。反面、国民が税金を出して生産される公的情報は、その主人である国民に公開されるべきだ。行政の透明性、公正さを確保するために、公的情報の公開は必要だ。だが、現実はその反対に進みつつある。個人情報は公権力もしくは企業によって簡単に流出する反面、公的情報は生産に「参与」した人でなければ、接近することがさらに困難になる。この世の中、後退していることが、一つや二つではないようだ。

黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com