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悪の枢軸と化した太平洋の天国、ナウル

Posted May. 19, 2003 22:05,   

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世界唯一の超大国、米国が軍隊さえ保有していない世界最小国、ナウルを相手に対テロ戦争の名目で圧迫をかけている。ナウルではパスポートの発給手続きなどが簡単であるため、テロ容疑者の身元の偽装に役立っているというのがその理由だ。

一時、「太平洋の天国」といわれてきたナウルがこれによって苦境に立たされていると、ウォールストリート・ジャーナルが19日伝えた。

豪州東北側の南太平洋海上に位置している、面積約20平方メートル、人口1万2000人余りの小さい島国、ナウルは、バチカン共国を除けば世界最小国となる。

肥料の材料となる燐酸塩が豊富で、93年、一人当たりの国民所得が1万ドルを超えたが、90年代の初めから、リン酸塩に目を付けた外国系の投資会社に採掘権の多くを奪われた上、今やそれもほとんど枯渇し、去年、一人当たりの所得は5000ドル台にまで落ち込んだ。

ナウルは経済難を解決するために、90年代半ばから外国人投資家がナウルの銀行に秘密で送金したり、ペーパーカンパニー(書類上だけに存在する会社)を簡単に造れるように制度を緩和した。また、米国の前職検事が造ったタランスパシフィック・ディベロップメント(TDP)社と手を結んで、97年から誰でも「お金さえ出せば」パスポートを発給してきた。パスポートの申請者が香港など世界のいたるところに支社を置いているTDP側に約1万5000ドルを出せば、ナウルは4500ドルをTDP側に渡し、残りは所有する形を取っている。

ウォールストリート・ジャーナルは、この結果、ナウルに住んでいない人に1000余りのパスポートが何の検証もなしに発給され、これはテロ犯罪者に偽装市民権を発給することと同じようなものだと伝えた。アゼルバイジャン生まれのシモニヤンという男性は去年、ナウルのパスポートを獲得した後、中国の机州で滞在して米国人にテロを仕かけ逮捕された。

このような一連の事件を受けて、米政府は去年末、これから米国の銀行がナウルと取引することを禁止していくという経済制裁警告令を発表した。

3月、ナウルのベルナルド・ドイヨゴ大統領は、米国による経済制裁を防ぐためにワシントンを秘密裏に訪問したが、到着直後に持病で死亡した。それ以降、ナウルのナマドゥック財務長官が制度の改善を急いでいるが、政敵が「政権掌握に向けた布石」と非難しており、混乱が続いていると、ウォールストリート・ジャーナルは付け加えた。



權基太 kkt@donga.com