Go to contents

「学校の垣根崩し」低い市民意識で暗礁に

「学校の垣根崩し」低い市民意識で暗礁に

Posted June. 10, 2003 22:04,   

한국어

6日午後11時半、ソウル瑞草区瑞草洞(ソチョグ・ソチョドン)S中学校の運動場。去年、学校の塀を崩して学校をオープンした同校で、若い男性2人が小型の乗用車で運転練習に夢中になっている。運転練習をしているところからわずか30メートルぐらいしか離れていないところでは、10人余りの生徒らが街灯の光の下でバスケットボール試合をしていた。運転が下手なドライバーが急ブレーキをかける音がするたび、生徒らは不安を感じる様子だった。

ほぼ同じ時刻、01年に学校の塀を崩したソウル江東区城内洞(カンドング・ソンネドン)S小学校の運動場。ある家族がなわ跳びを楽しんでいる運動場の反対側にあるベンチでは、20代の青年3人が酒を飲んでいた。これまで酒を飲んでいった人が多いらしく、ベンチの周りには吸い殻やカップヌードルの容器などのゴミが散らばっていた。この学校でも、夜、人目をしのび、密かに入ってきて運転練習をする人が多かったせいか、運動場のあちこちにタイヤの跡ができていた。

同校の関係者は「毎朝、酒のビンや吸い殻など各種のゴミを片付けるのに苦労する子どもたちの顔を見るのが心苦しいほど」と話した。

ソウル市が教育庁とともに「学校の公園化」に向けて進めている「学校の垣根崩し(垣根を崩して緑化させる)」事業が、市民意識の低さのために、定着の過程でこうした困難に直面しているということだ。

同事業は、緑豊かな校庭を作って、子どもの情緒向上に貢献し、放課後には学校を地域住民が利用できる休息スペースにすることを目指して始まった。ソウル市は去年までに250億ウォンを投資して、159の小中高校を支援したのに続き、今年には81校に100億ウォンの予算を支援する予定だ。

しかし、良い趣旨から始まった同事業は、ソウル市内の小中高校10校を調査した結果、オープンされた学校が、一部市民のゴミ捨て場や運転練習、青少年の非行場所として利用されており、当初の趣旨が失われていることが分かった。

01年に塀を崩したソウル瑞草区瑞草洞S高校の場合、このほど木の生い茂っている学校西南側に約50メートルに至る緑色の鉄条網を再び張り巡らした。市民や生徒らが道でもないところから学校に出入りしたため、木が大いに傷つけられたからだ。

ソウル衿川区禿山洞(クムチョング・トクサンドン)のN中学校も、去年、塀を崩してから、学校の管理費がかさばり、教職員が神経をとがらせている。先月には、夜中に100万ウォン以上もする学校の大型ガラスを誰かが割って逃げた。低い塀に沿って植えた木々が塀を越えて出入りする人々のために折れ、今年に入って木を植え直したりもした。

同校の教師は、「校内にポータブルガスレンジまで持ってきて、料理して食べた後、生ゴミを捨てて帰ってしまう人までいて、再び塀を作りたい心境だ」と訴えた。



金善宇 sublime@donga.com