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[オピニオン]焼身

Posted June. 21, 2003 00:01,   

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先月末、33歳のイラン人反体制活動家のアバス・アミニ氏が自分の目や口、耳を糸で縫い込んだ無惨な姿で、英国のロンドン街に現われた。英国人はそれから1週間の間、口を4針、両目と耳をそれぞれ1針ずつ縫い込んだ外国人の苦しい断食闘争を見守らなければならなかった。2年前、英国に入国したアミニは氏、このほど英国政府が自分をイランに追放しようとする動きを見せると、極端な闘争に突入した。アミニは弁護人を通じて、英国政府が長期滞在許可を出しないかぎり食べ物はもちろん、水も飲まず、どんな言葉も聞かず、誰が来ても見ないという意味で体を縫い込んだと説明した。結局、1週間後に英国政府は白旗を揚げて、彼は夢にも願っていた自由人の地位を得た。

◆ケースは違うが、身を惜しまないイラン人の「闘い」が欧州各地で続いている。今度は、自分の身に火をつける焼身だ。18日、フランスのパリ市内で、3人のイラン人と警察が見守る中で焼身を試み、女性1人が死亡した。イラン人は、英国ロンドン、イタリアのローマ、スイスのベルンでも焼身を試みて欧州を驚かせている。イラン人は、フランスの警察がイラン亡命反体制団体「人民ムザヘディン」の拠点を奇襲し、数十人の核心人物を逮捕したことに抗議し、焼身を始めた。

◆指を少し切られただけでも痛くて途方に暮れる一般の人が、肉を縫って、身に火をつけるイラン人の極限闘争を理解するのは難しい。外国で不法滞在者として暮らす苦痛が激しく、反政府活動も切実ではあろうけれども、どうして自分の身まで捧げることができるのだろうか。しかし、イラン内部を見てみれば、祖国に送還されるのが死より嫌で、身を捧げてでも、反政府デモを展開しようとするイラン人の心を少しは分かる気もする。今、イランでは大規模な反政府デモが10日間も続いている。

◆古代ペルシアには「黒より暗い色はない」ということわざがあった。これ以上失うことも挫折することもない不幸な人生を意味するという。外信は、今のイランの若者がまさに数千年前、彼らの祖先が描写した希望のない毎日を生きていると伝えている。イランの若者は1997年の大統領選挙で、モハマド・ハタミを圧倒的に支持し彼を大統領に当選させたが、これまで成果が現われていないことに憤慨して反政府デモに出たという。イラク戦以降、イラクの核開発疑惑を提起し、国際原子力機関(IAEA)を動員して圧力を掛けている米国まで考慮すると、イランはまさに八方塞がりの危機に直面しているようだ。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com