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[オピニオン]性的いたずら(セクハラ)

[オピニオン]性的いたずら(セクハラ)

Posted July. 14, 2003 22:19,   

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10年前までセクハラ、あるいは性的暴行に対するわが国の社会的観念は薄い方だった。職場の上司が部下の女子社員にお茶汲みをさせるのは当然のこととされていたし、「キツイ」冗談は、雰囲気を和らげる潤滑油程度に受け止められてきた。外国に移住したお年寄りが「なんてかわいらしい坊やだこと」と思いつつ、西洋人の男の子の「アレ」に触ったばかりに、訴訟沙汰になったというエピソードもその頃の話だ。ところが、もはや時代は変わった。性的なことを連想させる男性の言葉づかいや行動ひとつひとつが、ただちに法的問題になりかねない。お茶汲みも昔の話となった。数ヵ月前に自殺した忠清南道(チュンチョンナムド)イェサン郡の小学校校長の悲劇は、女性教師にお茶汲みをさせたのが事件の発端だった。

◆わが国で性的暴行を受けた被害者の97%は、女性である。しかし、これは届け出たケースに過ぎず、男性が被害者である場合も多いだろうというのが、韓国性暴力相談所コン・ジュヒさんの主張だ。男性の被害者は、自尊心のため届け出るのをはばかるという特徴があり、実態の把握すらろくに行われていないというのだ。この機関は、01年「軍隊における性暴力」をテーマにしたサイバー討論会を開催しているが、参加者の反応は非常に熱かったという。社会的に表沙汰にしせずに何とか内密に処理しようとするうちに、この問題はさらに深刻化して行ったのである。男女雇用平等法は、同性あるいは、女性が男性に加えるセクハラも適用対象としている。一般人の認識は、法律の条文にも及ばないくらい遅れているのだ。

◆近ごろ、軍隊における性的いたずら事件が相次ぎ、息子を軍隊に送り出した親たちは、不安な日々を送っている。数日前には休暇をもらって帰省していた兵士が、アパートの屋上から飛び降り自殺をしている。ところが今度は、当番の兵士に性的いたずらを働いた大隊長が逮捕された。「昔の軍隊」では新兵が配属されると、上級兵士が宿舎の中で自分の隣の寝床に新兵をあてがい、「いたずら」を働くことが無くはなかったにせよ、未だにそのような悪習が残っているとは、嘆かわしいことと言わざるをえない。上命下服を命とする軍隊の文化が歪められる過程で、このような犯罪行為の温床となった側面はないか、今一度見直す必要があるだろう。

◆徴兵制を採択しているわが国で、軍隊における性的いたずらは、必ず根絶されなければならない。軍隊に取られたくない若者たちがイレズミをも厭わないというこの時期に、このような不祥事が起きると、兵役逃れの風潮をさらに煽る恐れがある。軍隊の士気に悪い影響を及ぼすのは、火を見るより明らかだ。陸軍はいまさら対策班を構成するやら、再発防止対策をまとめるやらと騒々しくしているが、正確な実態調査の方が先である。この問題と関連して、国防部の統計資料が皆無であるということは、軍当局がこれまでいかに無関心だったかをものがたる証しと言えよう。日蔭で育つ悪い細菌は、日に当たらせてこそ退治できるものだ。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com