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天も泣いてしまった「17歳の孝行心」

Posted July. 18, 2003 22:11,   

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高校生の息子は休日にもかかわらず、力仕事をしている父親について、進んで仕事に出かけた。友達からインターネットカフェに行かないかとも誘われたが、苦労している父親を助けたかった。

ところが、一緒に仕事に出かけた親子は汗を流しながら、仕事をしている途中、一緒に倒れた。瞬時に起こった窒息のためだった。

貧乏ながら善良な息子と父親の死について、周囲の人たちは言葉を失った。休日になると必ず作業服に着替えて、父親を助けてきた高校生の息子はきびしい家庭環境に負けず、明るく育って、友達の中でも人気が高かった。

17日午後2時頃、ソウル市松坡区蚕室洞(ソンパグ・チャムシルドン)にある4階建てビルの地下室で消音防止工事をしていたシン・へギュン氏(47)と息子のドンヒョン君(17)が死んでいるのを、工事現場に立ち寄った工事発注者の黄(ファン)氏(26・会社員)が発見して警察に届け出た。

警察によると、この親子は同日午前9時半頃、風通しがきかない地下室で、工業用ボンドでスポンジを壁に貼り付ける消音防止工事をしている途中、ボンドの有毒性ガスに窒息し、意識を失ったまま死亡した。

親子は同日の工事を一刻も早く片付けるため、午前8時頃から現場に出て、約1時間、無理に作業をしたため、有毒性ガスにさらされたことが分かった。

父親のシン氏は15年前から設備会社を運営していたが、1998年の通貨危機直後、不渡りが出て、家計が厳しくなってから市場と工事現場などを転々した。奥さんのチェ氏(43)も化粧品販売などでやっと生計を切り盛りしていた。

シン氏は生活苦に耐えられず、一時自殺も考えてみたが、きびしい環境の中でも、明るく育っている娘(23歳)と息子のことを考えて、こらえてきたとのこと。 その中で、シン氏は若い時、建設現場で働いた腕前を生かして、約2年前からは防音工事の下請けの仕事をしてきた。

シン氏はお酒一杯飲むことも節約して、お金を貯め、銀行から融資を受けて、最近、住んでいたたった一つの部屋から、ソウル市蘆原区孔陵洞(ノウォング・ゴンルンドン)の20坪面積の集合住宅へ移ることができた。

このような父親を見て、ドンヒョン君(M情報高校自動車科2年生)は休日には一言も文句を言わず、工事現場について行った。ドンヒョン君は最近家庭環境が少しよくなって、大学で歯科機工を専攻しようとする夢を持って、進学クラスに入り、平日は夜遅くまで学校で勉強してきた。父親は勉強に専念することを勧めたが、ドンヒョン君は聞き入れようとしなかった。父親を助けながらも、勉強は十分できると言ってきた。

母親のチェ氏は18日午後、霊安室がある江南(カンナム)市立病院の葬式場で、目に入れても痛くない息子が夫とともにむごたらしい事故に遭ったことがまだ信じられない表情だった。

シン氏親子の写真と数本の菊の花しか置かれていないがらんとした霊安室にはシン氏の遺族数人と黒い生徒服を身につけているドンヒョン君の友人十数人だけが集まって、非業の死を遂げた父子を哀悼していた。

ドンヒョン君の担任教師、クォン・キテ教諭(45)は、「ドンヒョン君ははっきりとした目標意識の持ち主で、誠実だった。家庭環境がある程度改善し、これから勉強に専念しようという時期だったのに…」と言葉を詰まらせた。



jarrett@donga.com