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人類の大災害呼ぶか 世界が緊張する福建A型流感とは

人類の大災害呼ぶか 世界が緊張する福建A型流感とは

Posted December. 07, 2003 23:30,   

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北米と欧州で子どもたちの命を奪っている福建A型流行性感冒(流感)がアジアにまで上陸し、国内の保健当局が神経を尖らせている。

国内外の一部のマスコミは、30年ぶりの流感による大災害が人類に大打撃を与えるかもしれないとも報じ、恐怖感が広がっている。地球では10年または30年置きに流感の変種が現れ、大量の犠牲者を出してきたが、今回もそれに当る可能性が大きいというのが、流感危機論の根拠だ。

危機論者たちは、とくに福建A型流感が、世界保健機構(WHO)が毎年春に発表している「今年の流感」でない変種であることを強調している。

しかし、専門家たちの間では、こうした危険性は誇張されているとの指摘も聞かれる。どうしてだろうか。

▲今年は流感大流行の時期?〓医学界では、歴史的に10年置き、または30年置きに流汗の変種が出現し、人類を脅かしてきたとする、いわゆる「周期説」が常識のように受け入れられている。

1918年、世界的に流行ったスペイン流感は2〜5000万人の命を奪った。57年のアジア流感、68年の香港流感、77年のロシア流感も数十万人の犠牲者を出した。

保健学者たちは、ここ数十年間、流感が比較的穏やかな状態が続くと、いつ頃新たな流感が現れるのかと、注視してきた。97年、香港鳥類流感が現れたときもそうだったが、今年の福建A型流感が猛威を振るうと、再び「周期説」が蒸し返されているのだ。

▲世界レベルの流感監視〓WHOと米国の疾病管理センター(CDC)などは、毎年、世界各国でどういう流感が流行っているのかを分析し、大流行に対処している。

WHOは毎年春、「今年の流感」を予測して発表。多国籍製薬会社を通じて、これに含まれた流感ウィルス菌株の活動力を取り除いたあと、有精卵に培養し「今年のワクチン」を作って各国に供給している。

これまでWHOの予想が外れたことはない。

ところが、今年はパナマA型、ニューカレドニアA型、香港B型などの3種の流感ウィルスを、今年の流感に指定したが、福建A型が突然猛威を振るう状況となり、各国の保健当局が俄然緊張している。

しかし、福建A型の実態が知られてからは、保健当局にも余裕が見られるようになった。

▲なぜ大流行でないのか?〓流感について知ると、その疑問は解決される。流感を起すオソミックス・ウィルスはA、B、Cの3つの類型がある。

A型は、人とブタ、鳥などから移り、深刻な症状を伴う。B型は主に人に表れ、子どもたちによく感染するのに対して、C型は人には特に問題にならない。

A型はヘマグルチン(H)とニュータミニダジェ(N)という抗原の種類によって、数十の亜型に分けられる。現在、Hは15種、Nは9種が発見されている。地球村で主に流行っているウィルスはH3N2ウィルスで、たまにH1N1ウィルスも流行っている。

ところが、ブタの体の中で、鳥の流感ウィルスと人の流感ウィルスの遺伝子が交わって再製造の過程を経て、全く新しい亜型が現れることもある。突然新しい亜型が現れるのを「大変異(Shift)」と言うが、これが人類の災いになることがある。

しかし、今回の福建A型は大変異ではない。WHOが今年の流感に選定したパナマA型に似たH3N2ウィルスだからだ。パナマA型の遺伝子が人体で異変を起した「小変異(Drift)」なのだ。しかも、福建A型はすでにオーストラリアとニュー時ランドで一度流行った流感だ。

▲それでも流感は怖い〓だからと言って安心してはならない。韓国には正確な統計がないが、米国では毎年3〜5000万人が流感ウィルスに感染し、このうち10万人が入院し、2万人以上が肺炎や気管支炎などで死亡している。

とくに今年の流感ワクチンでは、福建A型を50%しか予防できないとされている。しかし、そもそもすべての流感ワクチンは70〜80%の予防効果しかなく、福建A型の場合は、それより落ちるという意味であって、効果が全くないということではない。また、ワクチンを接種すれば流感にかかっても症状が軽くなり、合併症が少なくなる。従って、まだワクチンを接種していない人には、今にでも接種することを勧める。

(アドバイス〓 翰林大医学部・漢江聖心病院感染内科のウ・ホンジョン教授、高麗大・九老病院感染内科の金ウジュ教授)



李成柱 stein33@donga.com