Go to contents

[社説]「高句麗史守り」に冷水を浴びせる長官

[社説]「高句麗史守り」に冷水を浴びせる長官

Posted January. 08, 2004 23:06,   

한국어

大韓民国の文化、芸術および観光政策を総括する李滄東(イ・チャンドン)文化観光部長官が、新年の記者懇談会で「中国の高句麗史歪曲問題について、政府レベルで対応するのは問題解決に何の役に立たない」と述べたのは、たとえ外交的な摩擦を考慮してからの発言だとしても不適切なものだ。

李長官の発言は、これまで学界、ジャーナリストおよびインターネット利用者を中心に展開されてきた「高句麗史守り」運動に冷水を浴びせるも同然だ。就任して1年近くになっている長官として、いまだに自分を一国の閣僚として認識するよりは「自由人」と考えているのでは、と疑われるほどだ。

李長官はまた「高句麗遺跡のユネスコ世界文化遺産の指定とこの問題を関連付けるのは望ましくない」と述べたが、学界は「これは、高句麗史を中国史に組み込もうとする中国政府の一貫した思惑から行われたもので、それを別物扱いすること自体が中国の思う壺だ」と反論した。わたしたちは学界の見解が正しいとみる。

高句麗史の中国史編入を主導している中国の社会科学院は事実上政府機関だ。これを勘案し、高建(コ・ゴン)首相は、昨年末国会で民間合同の高句麗史研究センターを設立し、積極的に支援するという方針を明らかにし、国会議員も全面的な支援を約束した。したがって、李長官のもってのほかの発言は、韓国政府が中国政府の高句麗史の歪曲に対して、一貫した立場をまとめられずにいるという印象を与える恐れがある。

責任ある政府当局者の軽率な言行は、国益と外交に取り返しのつかない損失をもたらしかねない。李長官は今回の発言について国民にお詫びし、これからは長官たる立場と自分の個人的な所信をわきまえてほしい。国の主権を守れない政府、祖先の誇らしい歴史を奪われる長官になってはいけない