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IHOが海図冊子を年内発刊へ、「東海」表記反映に正念場

IHOが海図冊子を年内発刊へ、「東海」表記反映に正念場

Posted May. 03, 2004 22:50,   

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アジア東部の韓半島、ロシア、日本に囲まれた南北1700km、東西1100kmの楕円形の海域。この海を韓国は「東海(East Sea)」、日本は「日本海(Sea of Japan)」と呼ぶ。

問題の発端は、1929年に国際水路機関(IHO)が海図作成の基準になる「大洋と海の境界」という冊子でこの海を「日本海」と呼称したことによる。当時韓国は、日本の植民地だった。改訂版が出た1953年、韓国は戦争中だった。その間に世界各国は、この冊子を「根拠」に日本海という表記を使用した。東海、または昔の地図にあった「朝鮮海」「韓国海」という呼称は、数十年間地図から消えた。

しかし先月29日、第22回国連地名専門家会合(UNCSGN)で、東海表記問題は新しい局面を迎えた。同会合は「表記問題に関する2国・多国的解決策づくり」を勧告した。国連が東海表記に関して、両国に解決策づくりを公式勧告したのは初めてだ。このため「少なくとも東海と日本海が併記されなければならない」という韓国側の主張が力を得ることになった。

しかしIHOが今年、1953年以来初めて第3次改訂版を出す予定であり、「東海」呼称の復元は、今年が最後の機会になるかもしれない状況だ。

▲経過〓韓国の窮極的な目標は、数千年に渡って使用されてきた東海呼称の回復だ。しかし、日本海が国際呼称として上がっている現実を考慮して「東海併記」を一次的な目標としている。

1991年に国連に加盟した韓国は、翌年から関連国際会議でこの問題を提起したが、日本によって拒否されてきた。

2002年にIHOは、「大洋と海の境界」の第3次改訂版を準備する過程で、韓国と日本の合意を促した。「合意がなければ、海名を書かないか該当ページを削除して発刊する」とし、加盟国の投票に付した。しかし、日本のロビー活動で投票は中止になった。冊子はまだ発刊されておらず、地図は1953年版に従って製作されている。

北朝鮮は「朝鮮東海(East Sea of Korea)」表記を主張し、2年前からは韓国とまったく同じ主張をしている。ハングル表記は依然として朝鮮東海を使っている。ロシアと中国も韓国を支持する立場だ。政治的に判断しない各国の民間専門家たちも、少なくとも東海・日本海をともに使用するのが当然だと考える趨勢だ。

▲「第2ラウンド」〓先月末、UNCSGNに出席したソウル大学の李ギソク教授(地理教育科)は、「2年前にIHOが、日本海単独表記に問題があることを認めたのに続き、今回はさらに一歩前進して『解決』を促した」とし、「問題認識の範囲が広がった」と評価した。

これまで韓国の問題提起に「無視」で一貫してきた日本は、今回は「韓国と協議する」とひとまず提示した。会議は17日にソウルで開かれる。

韓国側の首席代表だったハ・チァンホ駐国連代表部公使は、「昨年のソウル会議で、日本は『協議に来たのではない』という主張だけを繰り返した」とし、「しかし今年は、国連勧告を無視したという非難を意識せざるを得ない」と見通している。

▲強硬化する日本〓日本の態度が変わったのは、最近2年間、地図製作会社、各種メディア、出版社、旅行関連情報インターネットサイトが、日本海と東海を併記するケースが増えたためだ。

今回UNCSGNで、日本代表の角茂樹外務省参事官は、「一部の地図製作会社が東海を併記したのは誤りだ」としながら「傍観しない」と発言した。

各国の代表たちも、韓国代表団に「日本が外交力を総動員しているようだ」と、日本側のロビー攻勢を伝えた。

2年前IHOで投票が進められた際、日本のマスコミは、「世界地図から日本海が消える」と大々的に世論を煽った。日本政府も積極的に乗り出した。このためフランスは、国防省水路局海図2003年版に東海と日本海を併記していたが、今年は再び日本海へと「原位置」に戻った。

東海・日本海表記争いは、韓国政府と民間団体、ネットユーザーたちが東海表記の数を一つ増やす度に、日本が抗議、資料提供、ロビー活動などで還元させる様相で展開されている。

2年前に冊子を発刊できなかったIHOは、早期に作業を終える構えだ。最近IHOは、「近い将来に第3次改訂版の最終稿を加盟国に回覧する」と発表した。

李教授は、「今回が最後の機会だ」として「冊子に東海表記を反映することができなければ、今後さらに難しくなることは間違いない」と話した。



洪權憙 konihong@donga.com