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駐イラク韓国大使館、「自国民保護」はいかに?

駐イラク韓国大使館、「自国民保護」はいかに?

Posted June. 25, 2004 22:20,   

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金鮮一(キム・ソンイル)氏殺害事件と関連し、政府外交当局の勤務態度と危機管理能力に問題があるとの指摘が出ている中、イラクから戻った民間の活動家らは、「政府と駐イラク韓国大使館の自国民保護は情けない水準」と強く批判し、議論を呼んでいる。

これに対し、外交通商部は「イラク現地は戦時のような状況」だとし、「最善を尽くしてはいるが、皆を満足させるのは難しいこと」だと反駁した。

▲「保護どころか電話一本すらなかった」〓昨年以来3度イラクを訪問した「イラク平和ネットワーク」の平和活動家、イム・ヨンシン(35・女)さんは24日、「金さんの死は、在外韓国人に対する政府の政策がどんなにお粗末かを示す明らかな例だ」と述べた。

イムさんは30日のイラク政権移譲をモニタリングするため、26日に出国する予定だったが、金さんが殺害されたあと、イラク人の友人が「抵抗勢力は、韓国人を助けるイラク人は家族もろとも殺すと脅している」と押しとどめたため、イラク行きを断念した。

イムさんは、昨年以降、何度かイラクを訪問した人や活動中の人々は、在イラク韓国大使館の誠意のない態度にかなりの反感をもっている状態だと話した。

イムさんは、「イラクに3ヶ月ほど滞在したが、大使館側から身の安全を確認されたことは一度もなかった」とし、「小さな事故が起きただけで、大使館の職員がすぐやって来る日本とは大違いだ」と語った。

同じ団体に所属していて数日前帰国したユ・ウンハ(29・女)さんは、昨年3月頃、イラク戦争の最も激しい時期に、大使館から門前払いを受けたことがあると明かした。

▲「現地の状況を簡単には判断できない」〓これに対し、現地の事情をよく知っている外交部の関係者は、「イラクは戦争で通信施設が破壊され、たやすく連絡が取れる状況ではない」とし、「反戦運動家らは帰国を促しても独自で活動しているため、管理するのはほとんど不可能」と話した。

外交部側によると、戦争により無政府状態になったイラクで、自国民の出入国をチェックするのは言葉で言うほど簡単ではない。さらに、外交官8人に現地職員1人だけで、現地の韓国人を皆統制するのは実際難しいことだと説明した。

今年の4月5日、イラクで抑留された経験のある『地球村分ち合い運動』の事業部長ハン・ジェグァン(32)さんも、「現地の大使館職員は、直接・間接的に安全を確かめるなど、誠実に働いていた」とし、「不便な地域で苦労している大使館職員らを責めてはいけない」と語った。

しかし、ハンさんも事件後の政府の態度には問題があると指摘した。彼は、「(抑留から)解放された直後、政府や大使館から拉致経緯について尋ねてきたことは一度もなかった」とし、「状況すらきちんと把握しないで、適切な防止策が講じられるか疑問に思った」と話した。

『イラク平和ネットワーク』の事務局長、ヨム・チャングン(28)さんは、「大使館職員も大変な中で働いているので、魔女狩りのように批判するつもりはない」としつつも、「こうした危険な状況にもかかわらず、『電子メールでチェックしている』と言う甘い態度の政府が海外にいる国民をどれほど保護できるか、自問する必要がある」と語った。



丁陽煥 鄭世鎭 ray@donga.com mint4a@donga.com