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[オピニオン]感動症候群

Posted August. 18, 2004 22:38,   

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眠れぬ夏の夜が続いている。熱帯夜のせいだけではない。アテネ五輪の競技のためだ。地球の向こう側、ギリシャで開かれている決勝戦のテレビ中継は大抵真夜中に行われる。韓国と同じ時間帯の日本でも、最近テレビの実況中継を見ようと夜が明けるのも忘れる人が多い。出勤時間の地下鉄の車内は普段より居眠りする人が増えた。寝て、起きてを繰り返しながら職場に出勤しても、しょっちゅうあくびをし、喫煙ルームでこっそり昼寝する人もいる。だが、寝不足で目をこすっても、続くメダル獲得の知らせに日本人たちは嬉しい表情だ。

◆柔道の男性選手が日本選手団の中で初めて金メダルを取った15日未明のテレビ視聴率は44%台を記録した。日本人約1億2000万人のうち、5000万人ほどがテレビを見ながら熱狂した。その後も柔道だけでなく、水泳、体操などで相次いで金を取ると日本人は皆オリンピック競技の話題で盛り上がっている。一部の学者はこうした現象を「感動症候群」と呼んでいる。

◆日本は米国に次ぐ世界第二位の経済大国だが、侵略戦争を否認しようとする、信頼できない態度のため、アジア諸国から顔をそむけられ、国際外交の舞台でも大した存在感を示せていない。最近上向きつつはあるものの、経済状況も以前に比べると活力に欠ける。個人の生活も世界トップレベルの物価のために、たいして余裕があるとは言えず、常に追われているように暮らしている。日本社会のこうした総体的な閉塞感が「単純な英雄」を求めるよう促し、オリンピックの熱気はこれを反映する現象だというものだ。

◆ドラマ「冬のソナタ」が韓国より日本ではるかに人気があったのも、感動しやすい素地がある日本人の心理が働いたとの分析だ。日本の60〜70年代の恋愛ドラマとそう変わらないドラマだが、社会的な雰囲気にマッチしたために「シンプルな愛」が感動の素材になったとのことだ。「感動症候群」と呼ばれる今日の日本社会を考えてみると、もしかして韓国は政治・経済・社会など全ての分野で互いに対立しあい、神経を尖らせている「癇癪症候群」が蔓延しているのではないかとふと思う。李元熹(イ・ウォンヒ)選手の金メダル獲得、サッカーチームの劇的なベスト8入りなど、愉快で胸すくような知らせが続々登場することを期待する。

東京〓趙憲柱(チョ・ホンジュ)特派員hanscho@donga.com