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妻に対する「強制わいせつ罪」に初の有罪判決

妻に対する「強制わいせつ罪」に初の有罪判決

Posted August. 20, 2004 22:41,   

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妻を性的に暴行し、望まない性交渉を強要した夫に対し、裁判所が初めて有罪を言い渡した。

ソウル中央地方裁判所・刑事合議22部(崔完柱・部長判事)は20日、妻に強制的な性暴行をした疑い(強制わいせつ致傷)で非拘束起訴された金被告(45)に対し、懲役2年6月、執行猶予3年を宣告した。

▲判決の内容と意味〓裁判所は、「被告人は被害者である妻が離婚を要求したという理由で、被害者の両腕を折って動かせないようにし、強制的に暴行して怪我をさせたため、公訴事実は全部有罪と認められる」との判断を示した。

同判決は妻の性的自己決定権が夫婦という理由で不当に侵害されてはいけないという点をはっきりさせた、初めての判例だ。性的自己決定権とは、性行為をする時、当事者の能動的な意思が尊重されなければならないということ。

判決は、「夫が妻の腕を無理やり折るなど暴力を振舞ったため、妻の性的自己決定権が侵害された」とした。さらに「婚姻には、夫婦がお互いの性的要求に応じるという約束が含まれているが、だからといって、一方が性的自己決定権を放棄するということではない」と強調した。

▲「夫婦強姦にも適用」〓同判決は強制わいせつに関する判決だが、「夫婦強姦」にも適用されることができるとみられる。同事件の被告人は強制わいせつはしたが、「強姦」の要件である性交には至らなかった。

最高裁判所は1970年3月、「妻が姦通罪告訴を取り下げた後、夫婦間で再出発することを約束した場合は、たとえ夫が暴力を使って強制に姦淫したとしても強姦罪は成り立たない」と判決した。

これに対して裁判官は、「今回の事件は強制わいせつに関することなので、夫婦間の強姦罪を否定した最高裁判所の判例に逆らうものではなく、したがって夫婦強姦罪の成立を明示的に認めたことではない」と述べた。

しかし裁判官は、「性的自己決定権を尊重しなければならないという前提の下で、夫婦間の強姦事件にも今回の判決は意味があるだろう」とも語った。

金被告の妻は03年10月、夫を相手に離婚訴訟を申し立てる一方、暴行の疑いで夫を警察に告訴した。その後、夫婦は7月、ソウル家庭裁判所で金被告が財産の一部である2億2000万ウォンを妻に譲渡する条件で離婚した。

▲女性界の反応〓女性界は今回の判決に対し歓迎の意を表わした。

韓国性暴力相談所は、「今回の判決を機に、夫の妻に対する性暴力の兔責特権を与えた法慣行と社会一般の認識が変わることを望む」と発表した。韓国女性民友会も、「今までの司法的慣行を破った先導的な意味を持つ」と評価した。

江南(カンナム)大の朴ヨンラン教授(社会福祉学部)は、「暴力的な夫婦げんかをした後、夫が『仲直り』を口実に妻に性行為を強要するか、事実上他人同士である離婚直前の夫が妻に性暴行をする場合が多い。夫婦間でも一方が望まない性行為は強姦という事実を法に明文化しなければならない」と主張した。

女性部は01年、「夫婦間強姦罪」新設を推進しようとしたが、法曹界の反発と伝統的な夫婦間の信頼関係を破壊しかねないという世論に押され、導入日程を確定することができなかった。

▲外国の場合〓先進諸国では刑法上、夫婦間に強姦と強制わいせつ致傷を認定する傾向にある。

米国でも1976年までは、夫婦間の強姦を認めない「結婚強姦兔責(marital rape exemption)」法規定があったが、以後、同条項などを廃棄し始め、1996年までに17州で完全廃止された。

その代わり、米国の50州全部が、夫婦強姦を性暴行法による犯罪として扱っており、被害者は民事訴訟も申し立てることができる。

英国は1994年に夫婦強姦を認定し、ドイツも1997年、刑法を改訂する時に婚姻例外条項を削除した。



全芝星 金眞敬 verso@donga.com kjk9@donga.com