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遅い救急システム

Posted August. 22, 2004 22:21,   

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▼ひょっとすれば死んだかも〓19日午前ミア洞で、女性2人が800mの間隔を置いて相次いで通りすがりの何者かに刃物で刺される事件が発生した。

住民が発見して警察に届けた時間差は、わずか10分。しかし後の被害者は、40分も遅れて病院に到着したことが分かった。

先に被害にあったチェ氏(20)の場合、住民の届けの4分後に救急車が到着し、20分後には近くの高麗(コリョ)大学安岩(アンアム)病院に運ばれ、応急処置を受けることができた。

しかし、後に被害にあったウォン氏(18)は、住民の届けがあって14分経っても救急車が到着せず、救急連絡を受け付ける消防防災庁傘下のソウル総合防災センター(以下防災センター)に住民からの連絡が約10回も届けられるほど、住民と警察をやきもきさせた。

警察は救急車が来ないので、町の病院の救急車を呼んで、患者を近くの病院に運んだ。しかし、手術の設備が整っておらず、遅れて到着した救急車で高麗大学安岩病院に運んだ。届けがあって50分も経ってから応急室に運ばれたのだ。

このため、ウォン氏は昏睡状態が続き、20日午後にやっと意識が回復した。高麗大学安岩病院の主治医は、「患者の出血がひどく、危険な状況だった」と話した。

事件当時、現場の住民は、「どうしていいか分からず、毛布をかけたり、怪我をした腕をタオルで縛る程度しかできなかった」と話した。

▼いつでも起こり得る〓このように患者の搬送が遅れたことは、事件が発生したミア1〜9棟を管轄する救急車が1台しかないためだと、警察と救急隊は明らかにした。防災センターの関係者は、「1台だけの救急車が、先の被害者を運ぶために出動した状態だった」と説明した。

これに対して、国立医療院中央応急医療センターのソン・スクチャ所長は、「救急車を無制限に増やすことはできない」としながら、「しかし、行政機関と町の病院を有機的に連結する応急救急システムを十分に構築すれば、このような同時発生の状況に対処することができる」と指摘した。

特に今回の事件で、1996年に導入された救急連絡者の位置と最も近い消防署を表示する「動態監視システム」や、2000年から実施されている「応急医療指導サービス」が、実効性がないことが明らかになった。

動態監視システムの場合、現場に出動する救急車で、連絡者の位置が分かるシステムがないため、道に迷って右往左往するのが常であるという。

また救急車が到着する前に、専門医が連絡者に電話などで応急医療を指導するサービスも人手不足のため、事実上、有名無実と化している。このようなサービスがあるという事実を知る住民や警察もいなかった。

防災センターの関係者は、「応急医療指導サービスが導入されて4年目だが、予算不足で専門医がいなかった年もあり、現在も専門医はたった2人で、現実的な適用には限界がある」ことを認めた。

8月のソウル市内の一日平均救急患者の発生件数は393件で、このうち20件だけが応急医療指導サービスを受けている。



金栽瑩 jaykim@donga.com