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言うことを聞かない馬のために…五輪近代五種

言うことを聞かない馬のために…五輪近代五種

Posted August. 27, 2004 22:50,   

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「マル(馬のこと)のため、マル(言葉のこと)が出ませんね…」

27日、グディ五輪会場で行われた04アテネ五輪近代五種試合。3試合を終えた後、1位との格差は232点。2試合が残っているため、いくらでもメダルを狙える状況だった。しかもその次の試合は自分のメイン種目の馬術。

ハン・ドリョン(28、大邱市体育会)は力強く「バリオ」という名前の馬に乗り込んだ。ペースがやや速かったが、スタートは無難だった。

しかし、7A障害物1つを落とした後、9番障害物(煉瓦)で全ての希望が水の泡になってしまった。バリオが急制動をかけたせいで障害物は崩され、ハン・ドリョンはあっけなく馬から落ちてしまった。弱り目に崇り目で、手綱まで外して馬は競技場の隅へ逃げ込んだ。この障害物で削られた点数だけでも128点。障害物を落として28点、馬の離脱で60点、落馬40点が合算されたもの。それに馬を取りに走り回って、2分以上時間を引きずったため、時間減点までされた。

やっとの思いで再び馬に乗ったハン・ドリョンは辛うじて試合を終えることができたが、1200点満点でなんと392点も減点された808点を得ることに止まって、32人の出場選手の中で9位から26位へ墜落した。初メダルどころか、韓国近代五種の歴代五輪最高成績の11位を乗り越えるという夢が消える瞬間だった。最終成績は24位。

李ヨンチャン近代五種監督は、「馬を最後まで信じなければいけないのに、序盤がスムーズだったので、油断したようだ」と残念がった。

ナポレオン時代の戦地から由来した近代五種は射撃、フェンシング、水泳、馬術、ランニングを相次いで行なって勝負を決める。五種のうち馬術は順位に決定的な影響を与える。戦地で人の馬に乗って戦わなければならないように、自分の馬ではなく大会主催側が提供する馬を抽選で選ぶため、異変がたくさん起こるからだ。

この日、ハン・ドリョンも25頭の馬の中で1頭をくじ引きで選んだが、よりによって自分があまに好まない早くて強い馬にかかったもの。試合前20分間顔を馴染ませたが、相性の合わない馬にかかって普段の記録より300点近く低い点数しか得られなかった。ポーランドのマルチン・ホルバチは2位をつけていたが、馬術で馬が3回も障害飛越えを拒否したため、試合をあきらめ、最下位になってしまった。

「メダルを期待していましたが、自信があった馬術でポイントを失いすぎて残念です。馬が言うことを聞かなかったんです」

非人気種目という悲しみの中でも、五輪を控えて2ヵ月近くハンガリーで転地訓練まで行いながら汗を流したハン・ドリョン。しかし、無情な馬だけはどうしようもない。李春憲(イ・チュンホン、国軍体育部隊)は21位。



金鍾錫 kjs0123@donga.com