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崔次官の「兵器化」発言に人権法まで…6者協議開催に暗雲

崔次官の「兵器化」発言に人権法まで…6者協議開催に暗雲

Posted September. 29, 2004 22:22,   

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北朝鮮の崔守憲(チェ・スホン)外務次官が27日(現地時間)、使用済み燃料棒8000本を再処理し兵器化したと主張し、再び波紋が広がっている。国連総会に出席するため米ニューヨークを訪問中の崔次官は、この日、記者に会い「北朝鮮を除去しようとする米国の政策のため、核抑止力を保有するしかない」とし、このように話した。

崔次官の発言は、北朝鮮が機会がある度に強調してきた「核抑止力」関連発言の延長線上にあるものの、北朝鮮の核開発の動きが順次具体化しつつあることを示唆していることから、6者協議の再開に否定的な影響が出る見通しとなった。米マスコミが報じたところによると、米国務省高官は、これと言った反応を見せずに「6者協議は推進しつづける考えだが、今月中には開催されないだろう」と述べた。

統一部高官は29日、「使用済み燃料棒を抽出し再処理を完了したと宣言した昨年10月の立場に比べて脅威のレベルを一段階上げたものとみられるものの、原則的な立場の表明だ」との見方を示した。

しかし、北朝鮮が、韓国の核物質実験による影響を6者協議の障害物に指摘して以降、厳しい状況に置かれている韓国政府としては、北朝鮮に6者協議に参加するよう圧力を加えるのも容易ではないものとみられる。米上院が北朝鮮人権法案を可決させたことなど協議再開において「障害物」に働く要因が多くなった点も負担になる部分だ。

問題は、9月中の開催を目指していた第4回6者協議が、事実上期待薄になった時点に出てきた崔次官の発言で、「交渉を通じた北朝鮮核問題の解決」が揺れる可能性もなくはないという点だ。11月2日実施の米大統領選の直前に6者協議が開催されれば、北朝鮮がそれを政治的に利用するだろうと懸念している米政府内の強硬派は、北朝鮮の核問題を6者協議の枠外で解決したい、との立場も時折示している。

ボルトン米国務次官(軍縮安保担当)は崔次官の発言があった直後の28日、「北朝鮮が全く動かないならば、論理的に考えて、次の段階は国連安保理だ」と話した。ただし、崔次官のコメントが北朝鮮核問題や6者協議の破局につながると予断するのはむずかしい。

崔次官も国連総会の演説では「核凍結と補償を同時に行う」ことを繰り返し提案し、「万が一、米国が(北朝鮮に対し)核脅威の中止を含めて敵視政策を中止するならば、それを受けて北朝鮮も核抑止力を放棄する意思がある」とし、交渉の扉を閉めていない。

一方、AP通信と中国の新華社通信など一部メディアは、崔次官が「8000の使用済み燃料棒から得た濃縮ウランを兵器化した」と話した、と報じ、波紋を広げている。北朝鮮がこれまでウラン濃縮の事実を否定してきたため、目を引く部分ではあるが、韓国政府当局者は崔次官のコメントが間違って伝えられた可能性が高い、との認識を示している。

黒鉛減速炉である北朝鮮寧辺(ニョンビョン)5メガワット実験炉から出た使用済み燃料棒を再処理して作れるものは、濃縮ウランではなくプルトニウムだからだ。崔次官の実際のコメントも「核抑止力を備えている」という外務省報道官の談話内容と同じものだった、というのが韓国政府当局者の説明だ。