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[オピニオン]釜山「シネマ天国」

Posted October. 09, 2004 01:58,   

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釜山(プサン)国際映画祭は、文化が一つの都市の位相とイメージをどれくらい変える可能性があるかを、劇的に見せてくれる事例だ。1996年、文化の不毛地帯も同然だった港湾都市、釜山で同映画祭がスタートしたころ、誰もこうした成功を予測できなかった。しかし、スタートから数年後にアジア最高の映画祭に位置付けられ、いまや世界5大映画祭への跳躍を夢見ている。韓国内では第2位にあたる規模の都市だが、文化的にはそれほどあげられるものがなかった釜山は、名実共にアジアの「シネシティ(Cine City)」に位置付けられた。

◆7日の夜、釜山水営(スヨン)湾の野外舞台で行なわれた開幕式には、林権沢(イム・クォンテック)、李滄東(イ・チャンドン)、姜帝圭(カン・ジェギュ)、金基徳(キム・キドック)監督らと安聖基(アン・ソンギ)、姜受延(カン・スヨン)、チャン・ミヒ、李英愛(イ・ヨンエ)、李ウンジュ、ヤン・ドングンなどの俳優が出席した。有名監督と俳優がレッドカーペットの上に姿をあらわす度、ファンは熱狂的な歓呼を送り、海雲台(ヘウンデ)の砂浜と南浦洞(ナンポドン)一帯は映画祭の熱気で盛り上がった。最近、韓国映画が外国の権威ある映画祭で相次いで受賞作品になるようになったのも、釜山国際映画祭を通じた外交的成果や、国際映画界の人脈を確保した点などが元肥になった。

◆釜山国際映画祭の成功の秘訣は何か。金東虎(キム・ドンホ)執行委員長のリーダーシップと朴光洙(パク・クァンス)、李庸観(イ・ヨングァン)、金ジソック、チョン・ヤンジュンなど映画関係者の献身、行政機関の不干渉と徹底した事後評価作業などを挙げることができるだろう。だが、最も重要な点は、映画と映画関係者が、この祭典の真なる主人になったとの点である。政治家と自治体の首長が主賓になり、それらの中身のない祝辞が相次ぐ、他の地域の祭典とは、レベルが異なるのだ。

◆今年の開幕式と開幕レセプションでも政治家は、主賓になれなかった。与党議長と文化観光部(文化部)長官、国会・文化観光委員長と所属委員、地域政治家らが多数参加したものの、誰も壇上に上がることはできなかった。だいぶ以前に、有力視される大統領選候補者2人が、1日の差で、釜山を訪れ、壇上であいさつだけさせてほしい、と要請したが、きっぱりと断られて以降、誰も例外になり得ない、との伝統が確立されたのだ。文化において肝要なものは、金と施設よりは、人と熱情、そして地域住民の愛情と協力、だとの点を、釜山国際映画祭は確認してくれている。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com