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[オピニオン]マラッカ海峡

Posted November. 10, 2004 23:09,   

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▲「ドーバー海峡、ジブラルタル海峡、スエズ運河、喜望峰、マラッカ海峡の5つのかぎを手にすると、世界が手に入る。」イギリスの海軍に言い伝えられる格言だ。この中でも、インド洋と太平洋を結ぶマラッカ海峡は韓国や中国、日本などの北東アジア諸国の死活を握る戦略的な要だ。原油だけをとっても、中国と日本は80%以上を、韓国は99%をここを通って輸送する。今の世界経済の状況からすると、マラッカ海峡が5つの中で最も重要なカギともいえる。

▲マラッカ海峡はマレーシア、インドネシア、シンガポールの間にある、全長約900キロ、幅65〜249キロ、平均深さ25〜27メートルの国際海峡だ。毎年、5万隻以上のさまざまな船舶が通る。タンカーはスエズ運河の3倍、パナマ運河の5倍に上る。海峡の名前は15世紀に地政学の利点を生かした東西貿易で栄えたマラッカ王国に因んで名づけられた。その後、16世紀にはポルトガル、17世紀にはオランダ、18世紀にはイギリスなど、ヨーロッパの海洋大国がアジア支配の足がかりとして海峡を占領し、第2次世界大戦中には日本が東南アジア進出の拠点にしていた。

▲海峡がそれだけ重要性をもつだけに、安保に及ぼす危険も大きくなるので、日本と中国は以前からマラッカ海峡を迂回する方法を探ってきた。それは、タイ南部のクラ地域に「東洋のパナマ運河」を建てようというのだ。わずか100キロの長さしかないクラ運河が建設されると、マラッカ海峡より航路は1200キロ、航行期間は2〜5日短縮できる。日本、中国、タイが共同で進めてきたが、200億ドルを超える膨大な費用のため、順調ではない。中国は8月、中東からの原油を陸路で輸入する案も設けた。ミャンマーに1700キロの鉄路を敷くことにより、インド洋からミャンマーを通って中国へとつながる輸送路を作ることで、ミャンマー政府と合意した。

▲最近、韓国海洋警察庁がマレーシア海洋警察と、マラッカ海峡で海上テロに備えた合同訓練を実施した。全世界の海上犯罪の35%が発生し、海賊の住みかといわれるマラッカ海峡は、特に「9・11」テロ以降、アルカイダなどのイスラムテロ組織が出没する可能性が最も高い地域として挙げられている。マラッカ海峡の重要性や周辺諸国の動きを考えると、海洋警察の合同訓練ではなく韓国の海軍力を世界へ伸ばしていくべき時期ではないだろうか。

北京=黄有成(ファン・ユソン)特派員 yshwang@dong.com