Go to contents

扶桑社教科書、侵略戦争を美化…教育団体が歪曲の実態を分析

扶桑社教科書、侵略戦争を美化…教育団体が歪曲の実態を分析

Posted March. 11, 2005 22:36,   

한국어

日本の右翼団体「新しい歴史教科書を作る会」が支援する「扶桑社」による中学校歴史教科書の2005年検定申請本は、2001年の検定本に比べより巧みに日本の侵略を美化し、歴史を歪曲している。

「アジア平和と歴史教育連帯」(教科書運動本部・共同代表、ソ・ジンソク成均館大学歴史学科教授)は、扶桑社教科書の検定申請本の内容を分析し、11日公開した。

申請本は、近代以前の韓国史について一層従属性と他律性を強調し、日本の侵略を朝鮮半島の門戸開放として歪曲している。植民支配も近代化という名で合理化し、日本の侵略戦争を不可避なものと美化している。

○「朝鮮半島は他律と従属の歴史

朝鮮半島の古代史に関する記述は2001年版に比べると、一段と悪化している。同教科書は26ページで漢四郡の1つであった帯方郡の中心地を、主流の学説でいわれているよりずっと南である現在のソウル付近と説明している。これは北朝鮮の黄海道鳳山(ファンヘド・ポンサン)地域が帯方郡の中心地という学界の一般的判断からかけ離れている。32ページに掲載された4世紀末の地図には、313年に高句麗によって責め滅ぼされた楽浪郡が、続けて平壌に存在しているように紹介されている。

朝鮮半島南部の加羅地方に日本の植民地だった任那が存在していたという任那日本府説についての記述はもっと増え、地図の上では任那の領域を加羅と馬韓(全羅道地域)まで拡大して表した。これは朝鮮半島の北部は中国、南部は日本によってそれぞれ支配下にに置かれて状況で韓国の歴史が始まったという見方が反映されたもので、過去の植民史観の二番煎じにほかならない。

また、申請本は新羅は唐の従属国(42ページ)で、朝鮮は青の従属国、朝貢国(148ページ、163ページ)だったと記している。

○朝鮮半島の植民支配を合理化

前回で「朝鮮半島が大陸から一本の腕のように突き出ているので、敵対的な大国の支配下に入れば、日本を脅かすことになる」と表現した部分を、今度はコラム(163ページ)として拡大紹介し、日本が安全保障のために朝鮮の近代化を手伝ってやったと植民支配を美化した。教科書運動本部は朝鮮関連部分で2001年版では1回登場しただけの「近代化」という言葉が、今回の申請では4回も登場していると指摘した。

韓日強制併合については「韓国内の一部からでも併合を受け入れようとの声があった(170ページ)」と表現しているが、これは2001年『自主訂正』ということで自ら削除した部分を復元したものだ。

一方、植民地侵奪に関する描写は脱落、縮小したり、和らげた表現を用いたりしている。2001年に故意に脱落させて最大の問題になっていた植民支配期の朝鮮人強制連行と従軍慰安婦に関する内容は、以前と同様抜けている。

「植民支配下の朝鮮人に対し、さまざまな犠牲と苦痛を強制した」という文章も削除された。また、2001年版では「創氏改名を強要し皇民化政策を強制した」となっていた表現を、「日本式の声明を名乗ることを認める創氏改名が行われ、朝鮮人を日本人化する政策が進められた(208ページ)」と強制さを和らげた。

○侵略戦争の歪曲と美化

日露戦争については、ロシアが韓国北部に伐木場を設置したことを軍事基地の建設かのように見せかけ、安保危機から両国の戦争は避けられなかったと記述した部分は変わらなかった(166ページ)。日本の勝利については、「植民地になった民族に独立の希望を与えた(168ページ)」と表現し、日本が朝鮮人を帝国主義の圧制から救い出した解放者でもあったかのような間違った観点から記している。

大東亜戦争と太平洋戦争については、日本の自尊自慰のための戦争(202〜203ページ)と位置づけた。また、終戦後にあった賠償などの事実は記述せず、日本軍の兵士が東南アジア各国の独立戦争に参加したという内容を加え、大東亜戦争がまるで植民地解放戦争であるかのように書き表している(206〜207ページ)。

全体的に申請本に新たに登場した「歴史の名場面」という5つのコーナーのうち、4つが戦争や軍隊と関係がある内容になっていることや、第2次世界大戦と植民支配の最終的な責任者とも言える裕仁天皇を教科書の終わりの部分に配置したことなども、軍国主義の印象を与えている。



權宰賢 confetti@donga.com