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「ガン細胞だけ狙う治療法」 延世大研究陣が開発

「ガン細胞だけ狙う治療法」 延世大研究陣が開発

Posted April. 04, 2005 00:22,   

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ガン細胞のみを老化させて殺す治療法を韓国の研究陣が世界に先駆けて開発した。

延世(ヨンセ)大学生物学科の鄭寅権(チョン・イングォン、47)、李泰昊(イ・テホ、49)教授チームは「人体内の『MKRN1』遺伝子をがん細胞に投与した際、ガン細胞が成長を止め、すぐ老化して死ぬということをはじめて確認した」と3日発表した。

同遺伝子は数年前に発見されたが、その作用原理と機能については今まで明らかにされていなかった。

鄭教授らは、人体から乳ガンと子宮頸部ガンの細胞を抜き取り、一ヶ月間培養した後、MKRN1遺伝子を投入した。その結果、細胞分裂を重ねて成長していたガン細胞が老化して消滅することがわかった。同遺伝子がガン細胞の成長を手助けする酵素である「テロメラーゼ」の働きを抑制したからだ。テロメラーゼはガン細胞だけに働く。

人の体細胞は46個の染色体から構成されているが、各染色体の端の部分は「テロメア」という特殊な構造となっている。テロメアは、細胞分裂が進むにつれてどんどん短くなる。そうするうちに、もはや短くならない「老化点」に達すると、細胞分裂が止まり、老化消滅することになる。

しかし、ガン細胞は異なる。テロメラーゼがテロメアを老化点より短くならないように保護するからだ。そこでガン細胞は老化せず細胞分裂を続け、他の臓器にまで広がるのだ。

鄭教授は「今回の研究は実験室で行われたが、ネズミではなく人のガン細胞を対象にしたのだから、実際の治療法を開発したのと同様だ」と強調した。

このため、実際にガン患者を対象に行われる臨床試験でも、よい結果が出るものと鄭教授は期待している。今回の研究結果は、生命工学分野の権威である『遺伝子と発生(Genes and Development)』の最近号に掲載された。



corekim@donga.com