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「オピニオン」集団思考

Posted April. 04, 2005 00:24,   

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多数が集まっている集団が必ずしも個人より合理的で正しい決定を下すわけではない。時として集団は構成員の間で意見の一致を強く求めるあまり、何もかも一つの方向にしか判断できなくなる傾向も見られる。ジャニスはこれを「集団思考(group think)」と定義し、集団がこのような思考に走ってしまうと、しばしばその決定は望ましくない結果をもたらすこともあると警告している。

◆集団思考は「われわれ」という連帯意識の強い集団によく見られる。構成員の同質性が強く、外部の集団や勢力に強い固定観念を持っている場合、集団思考の度合いはさらに深まる。このような集団は道徳的に自分たちは正しいという固い信念を持ち、反対側の見解に対し過剰に集団を守ろうとし、構成員から異見が出ないよう内部を厳しく引き締める。このような集団の構成員は「出る杭」にならないよう気をつけ、結局は「イエスマン」になる。

◆国の重要政策決定グループによる集団思考は、時には国を戦争の危機に追い込むこともある。ジャニスは米国のケネディー元大統領による1961年のキューバ侵攻を政策失敗の典型と挙げているが、その原因が集団思考にあると分析した。集団思考はリーダーが限られたグループからの助言に頼ったり、自分の希望を先に示したり、政策決定に深く関わったりするほど、その蓋然性が大きくなる。その意味では、リーダーの個性が強く集団意識が濃厚な現在のブッシュ政権も、集団思考に走る危険性が高いと思える。

◆韓国も集団意識が強く、トップダウンの儒教文化を背景にしていることから、集団思考の危険性が少ないとは言い切れない。韓国政府も主要な政策決定において、集団思考が働いているのではないかと真剣に点検する必要がある。集団内の誰かが「ノー」と言える悪役に回る制度的手立てがない限り、すでに集団思考に片足を突っ込んでいるのも同然だろう。

玄仁澤(ヒョン・インテク)客員論説委員(高麗大・国際政治学教授)ithyun@choi.com