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スポーツ錬金術師3人

Posted April. 25, 2005 23:25,   

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●Vボール・三星火災の金浩哲監督

実業リーグ8連覇に輝く三星(サムスン)火災を破って、万年2位だった現代(ヒョンデ)キャピタルをプロバレーボール元年の正規リーグでトップに押し上げた金浩哲(キム・ホチョル、50)監督。欧州2流選手で構成されたPSVアイントホーフェンに、オランダリーグ優勝と欧州サッカー連盟(UEFA)チャンピオンズリーグベスト4をプレゼントしたフース・ヒディンク(59)監督。そしてプロ野球万年下位チームの韓火(ハンファ)を引き受けるやいなや5連勝に導き強豪に変貌させた金寅植(キム・インシク、58)監督。3人の監督は果してどんな長所を持っていて、このような卓越した成果をおさめることができたのだろうか。

03年11月、現代キャピタルの監督を引き受けた金浩哲監督は、イタリアから来た技術分析官と体力担当官に一つの任務を与えた。選手一人一人の長所短所はもちろん、「ライバル」の三星火災を相手にした攻撃と守備の成功率と失敗率などをきちんきちんとデータベースに保存しろと言うのだ。

これを土台に金監督が看破した選手たちのアキレス腱は体力。イタリアで体験した「オーダーメード型ウエートトレーニング」がすぐに選手たちに適用された。膝を怪我したフ・インジョンには下半身補強訓練をさせるなど、選手一人一人が4週単位で体力強化訓練に入った。

その結果、現代キャピタルは三星火災に体力で劣るという話を聞かなくなった。KT&Gプロバレーボール05Vリーグで、「万年2位」の現代キャピタルが、1995年スーパーリーグ以後10年ぶりに、正規リーグのトップに上がった秘訣がここにある。

バレーボール関係者たちは金監督を「ずるい」と思っている。「浅知恵の大家」と皮肉る人もいる。戦争が起きても彼だけは生き残るだろうとも言う。言い換えれば、それほど状況に対する対処能力が優れているということだ。

03〜04Vリーグの時のことだ。試合に負けてから京幾道竜仁市(キョンギド・ヨンインシ)の宿所に戻って来た金監督は、選手たちを湖に落とした。真冬の氷点下の天気だった。そして10カ月後。韓国バレーボール最強戦で三星火災に敗れた後、金監督はまた選手たちを体育館に呼び集めた。「湖事件」でひどい目にあった選手たちは身を震わせたが…。

ところが、金監督の口から出た言葉は意外だった。「ご苦労さん。3日間休みなさい」と言った。3日後、選手たちが皆髪を短く刈って宿所に戻って来たのは言うまでもない。

彼は、「三星火災と試合をするたびに、過度に誇張したポーズで声を高めながら行動するには理由がある」と言った。三星火災に対するだけでいじけてしまう選手たちに自信感を吹き込むためだからというのだ。会食の時には、「選手の時は私が申致容(シン・チヨン、三星火災監督)より優れていた。だから心配するな」と言いながら闘争心を吹き込むこともあるという。

そのためだろうか。いまや選手たちは三星火災に対すると、むしろ金監督よりも闘志を燃やすと言う。この位までになれば、彼は真の「狐」と言えるだろう。

●PSVアイントホーフェンのヒディンク監督

2002ワールドカップを準備していたフース・ヒディンク当時韓国代表監督は2001年6月、コンフェデレーションズカップが終わったあと、「永遠なリベロ」洪明甫(ホン・ミョンボ)を代表から外した。翌年3月のスペインでの転地訓練までの9ヵ月間だった。当時、代表選手の兄貴分としてカリスマ性を兼備していた洪明甫は、後輩たちの偶像だった。それでもヒディンク監督は、あえて選ばなかった。洪明甫はもちろん、ベテランと若手たちを同時に刺激することで、競争を引き起こしたのだった。結局、この用兵術は4強神話の肥やしとなった。

ヒディンク監督が2004〜2005オランダリーグ優勝とUEFAチャンピオンズリーグでPSVアイントホーフェンを4強に導く過程でも、そうしたカリスマ性が発揮された。

PSVは、欧州舞台では「サッカーの辺境」。「太極戦士」の朴智星(パク・チソン)と李榮杓(イ・ヨンピョ)を含めて、ヘッセルリンク、ジェフェルソン・パルパン、ダマルカス・ビズリなど主力選手の大半は、売却が見込まれている有望株たちだ。

一時期、主将のファン・ボンメルをはじめ一部の選手たちは、朴智星と李榮杓を無視していた。しかし監督は、朴智星と李榮杓には全幅的な信頼を、他の選手たちには「相手国の言語学習」などで抱き込む方法を教え、結局は一つにまとめあげた。

ヒディンク監督は、「多様な文化の選手たちを一つに束ねることも素晴らしいことだ」と調和を強調した。注目すべき有名選手を持たないのに、馬鹿力を発揮しているPSVの秘訣は、このような固い組織力にある。

危機もあった。オランダ代表監督としてイングランドでユーロ96に出場していたとき、「監督は出来ない選手だけを起用している。頭がどうかしているのではないか」と反抗したエドガ・ダビッツを強制帰国させた。同事件で、優勝候補にまで名を連ねていたオランダ代表チームは、チームワークにひびが入り、成績は8強に止まった。しかも、スリナム出身選手たちの「カベルグループ」との確執も浮き彫りになり、大打撃となった。

しかしヒディンク監督は、自分を苦しい境遇に追い込んだ「カベルグループ」を包容し、98年フランスワールド杯では、彼らを中心に4強進出を達成した。

PSVは27日午前、ACミランとUEFAチャンピオンズリーグ準決勝第1戦を戦う。ACミランは豪華メンバーで組まれた強豪。ヒディンク監督が今回はどんな用兵で、一枚上手のACミランをつぶしにかかるのだろうか。

●プロ野球・ハンファの金寅植監督

タレントのチュ・ヒョンそっくりのコミックな言い方、きっすいの湖南(ホナム)の人より田舎くさい全羅道(チョルラド)弁を駆使するソウルの人、監督というより隣のおじさんか兄貴のような安らかさ。普段は無表情に見えるが、選手の慶弔までいちいち気を使い、結局は涙にぬれる優しい師匠。選手らはこうした彼を「お父さん」と呼ぶ。

金寅植(キム・インシク)韓化(フンファ)監督。彼は1年間の充電生活を終えて、今年初めに韓化の監督に就任した時、心配でしょうがなかった。4年連続最下位のロッテのおかげで目立たないが、韓化も2000年代に入ってから、ずっと下位グループに属している。

1990年代初め、チーム創設時の監督を務めたサンバンウル。9年間監督を務めながら2回も優勝を勝ち取ったのに、毎年1〜2人ずつスター選手を他チームに渡さなければならなかった斗山(トゥサン)時代とまったく同じだ。

どちらにしろ無から有を創造しなければならない立場だった。金監督は見捨てられた選手らをかき集める「廃品工場長」の役割をもう一度進んで受け持った。

起亜(キア)から放出された選手生活15年目の金インチョル、三星(サムスン)と再契約に失敗した在日韓国人のコ・ジヘン、行き先のなかった自由契約選手のオ・ボンオクがこの過程で韓化のユニホームを着た。

長い不振の沼に落ちていた先発チョン・ミンチョル、ムン・ドンファン、金ヘニムと抑えのチ・ヨンギュ、古参のチャン・ジョンフン、李ドヒョンら既存選手にも限りない愛情を見せるのを忘れなかった。

チョン・ミンチョルは、「昨年1勝も上げられなかった私に転地訓練の時から一回も外さず先発の機会を保障してくれた」とし、感激していた。

先週末、清州(チョンジュ)での試合。そこに妻の実家がある李ドヒョンが先発出場を申し出ると、勝敗に関係なく承諾した。結果は大満足。投手から打者に遅れて変身した金インチョルは予想外の本塁打トップ(6本)を走り、李ドヒョンは妻の母親が見守る中で、さよらな本塁打を放った。白星より黒星が多かったマウンドには、強い先発陣が構築された。チョン・ミンチョルは、いつの間にか3勝で最多勝共同首位。練習生として再入団するつらい経験をした36歳のチ・ヨンギュは、5セーブをマークし、韓化の守護神として大活躍している。

野球関係者らは、「金監督が昨冬、脳中風で約1ヵ月間病魔と闘わなかったら、今ごろ韓化はもっと良い成績を出していたはず」と口をそろえている。



yjongk@donga.com zangpabo@donga.com