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韓日ワールドカップ、韓日オリンピック

Posted January. 04, 2006 03:03,   

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若宮啓文・朝日新聞論説主幹様。

新年のあいさつを兼ねて、お手紙差し上げます。若宮氏は10年前、韓日ワールドカップ共同開催を主張する社説(1995年6月21日付)を直接書かれました。当時の韓国と日本は、単独開催に向けて国家のプライドと命運をかけて争っている時でした。共同開催という話自体が、卑怯で無謀に思われた時でした。

しかし結局、歴史を変えることになりました。世界サッカー協会(FIFA)のルールにまで手を加える共同開催が、現実に実現しました。若宮氏は、ソウルの開幕式に招待され、「太極旗(テグクキ、韓国の国旗)と『日の丸(日章旗)』が並んで掲揚された時、鼻先がジーンとする感動を受けた」と、回顧していましたね。

感動の嵐でした。2002韓日ワールドカップは実現し、両国は画期的に変化しました。まず、韓国で「米国よりも良い日本」という好感がわき上がり、日本でも「ヨン様」ブームで、韓流熱風が吹き荒れました。一日に1万人以上が行き交う隣国に発展し、金浦(キンポ)〜羽田航空路線までできました。

しかし正直に言って、韓日国交正常化40周年の昨年、「友情の年」はさびしく終わりました。行事は相次いだものの、友情が感じられないケースが多くありました。靖国神社の参拝や独島(ドクト、日本名竹島)問題が、そうさせてしまいました。両国の外交官たちは、好転の糸口を見出せない韓日関係に、ため息だけをついています。ポスト小泉首相と呼ばれる安倍晋三、麻生太郎氏のような右派政治家たちの発言は、展望を暗うつにさせるだけです。

10年前、韓半島専門家の小此木政夫慶応大学教授も、共同開催を積極的に支持していましたね。その方の還暦の会が昨年末、ソウルで開かれました。ソウルの知人たちの意義深い集まりでした。私も参加して、共同通信の平井久志ソウル特派員の隣に座りました。その時、平井特派員が、驚くべき興味深い話をしてくれました。

「釜山(プサン)が、2016年後のオリンピックを念頭に置いて、国際オリンピック委員会(IOC)総会の誘致に乗り出している。日本の福岡も、2016年オリンピックを誘致すると宣言した。釜山と福岡は姉妹都市で、快速船で2時間30分しかかからない距離だ。両都市が共同開催すれば、どれほど素敵だろうか。」

確かに両都市は、1989年10月に姉妹都市となりました。交換形式で市職員を派遣し、勤務させています。福岡にある朝日新聞西部本社の山西清芳スポーツ部長が私に、「釜山の歯科医院に通う福岡の人がいる」と言ったように、航空便で1時間以内の距離です。

釜山は独自でオリンピックを取ろうとするよりも、福岡と手を握るのが有利です。同じく福岡も、すでに誘致宣言をしている東京と単独で競争すれば、力に余ることでしょう。これこそ21世紀型「グローバリズム」の真髄ではないかと、ふと考えました。国境を越えグローバル(global)に、隣国の地方(local)都市が手を取り合うのです。

2016年なら、10年後の話です。それが難しければ、2020年に修正して、共同開催を狙っても、悪くはないと思います。その間、韓日関係が政治問題に縛られ、若宮氏の表現どおり「時々くもり」になっても、オリンピックの包帯で巻いた両国関係は、「おおむね晴天」の友情のこもった隣国に進むのではないでしょうか。

さらに、ワールドカップの時のように、国境を越えた都市と都市でオリンピックを共同開催する新しい21世紀の水平分業的な国際関係として、模範を示す韓日関係になるのではないでしょうか。恩讐の歴史を越えて、加害と被害の不幸だった過去から立ち上がり、和解と互恵協力に進む関係です。

金忠植(キム・チュンシク)論説委員