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北朝鮮の開城工業団地に行ってみれば…

Posted April. 01, 2006 03:00,   

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▲経済統一は、まだ遠い道

開城(ケソン)工業団地は、韓国側の技術と資本、北朝鮮の安い労働力と土地を結合して「小さな経済統一」を実現する試験台のような所だ。

北朝鮮側労働者の一ヶ月の賃金は約60ドル(約6万ウォン)。韓国側の人件費の30分の1水準だ。韓国土地公社が分譲する工場敷地価格も一坪当たり15万ウォンで、韓国側の地方公団の半分水準に過ぎない。

しかし、工場を直接見て回ってからは、こちらで企業を行うということが、それほど簡単そうには見えなという感を強くした。

最大の問題は人材の質だ。7ヶ月前にこちらに入居した化粧品ケース製造会社テソンハタのユ・ナムヨル部長は「外国人と違い、言葉が通じて技術習得の速度も早いが、労働生産性は韓国側の50〜60%水準」だと述べ、「人材の選抜権がなく、北朝鮮側から派遣された人を無条件に使わなければならないことも問題」だと指摘した。

すべての物資を韓国側から持ってくるため、物流費の負担も韓国側でより20〜30%多い。これにより、工場建設費用が韓国側より2倍近くもかかっている。履き物製造会社のサムドクスターフィールドの関係者は「原資材を釜山から積んできて製品を作った後、また釜山に持っていかなければならないため、物流費の負担が大きい」と話した。

視察団で訪問したイファダイヤモンド工業の鄭夏石(チョン・ハソク)社長は「中国の産業団地は、開城に比べて地価が半分以下で、物流費と工場建設費の負担も遥かに少ない」と述べ、「労働集約的な業種でなければ、開城工業団地に大きな魅力を感じることができない」と話した。

▲観光地としては魅力が少ない

バスに乗って開城市内に入った。1960年代の韓国を映画セット場で作っておいたような雰囲気だった。

建物の所々に金日成(キム・イルソン)と金正日(キム・ジョンイル)父子をほめたたえるビラが貼ってあった。道端で見た住民たちは黒く日焼けし、痩せていた。同乗した北朝鮮側の要員は市内の写真撮影を厳しく禁止した。

バスが停まったホテル昼食会場には、20種類の開城料理が出ていた。味には問題はなかった。食卓に座ったある実業者は、「貧しい住民を見た後に食卓に座ったら、心苦しくて、ご飯の味がしない」と話した。

食事後に寄った高麗(コリョ)民俗博物館は、本物と偽者が混ぜてあった。施設もそれほど良くなかった。ある実業者は「自然景観を中心にする金剛山(クムガンサン)と違い、開城は市内観光の中心としては、見どころも多くない」と評価した。

市内観光を終えてバスはまた韓国に向かった。韓国側の実業者たちは「黄金の都市、エルドラド」を夢見て開城工業団地に向かったが、帰ってくる足どりは、それほど軽くはなかった。事業をしやすくして気楽に観光するには、まだ遠いことのように見えた。



sunshade@donga.com