Go to contents

[オピニオン] 時局宣言

Posted April. 11, 2006 02:59,   

한국어

1960年の3・15不正選挙を糾弾する学生デモが絶頂に達した4月25日、全国から集まった大学教授258人が、ソウル大学教授会館で時局収拾のための14項目の宣言文を発表した。学生のデモは正義感の発露であり、不正不義に抗する民族の精気の表現だという「良心宣言」だった。当時、教授団の時局宣言は学生と市民の絶対的な支持を受け、ついに李承晩(イ・スンマン)大統領は翌日、「国民が望むなら大統領職を辞任する」という特別談話を出すに至った。教授たちが4・19革命の完成を導いたのだ。

◆韓国の民主化の過程で、大学と宗教界のはたした役割は絶大だった。政治的暗黒期に時局宣言という名で軍事独裁政権を批判し、抜本的な代案を模索した。民主化を熱望する国民は、そこに希望を見出し、当時の海外メディアも大きな関心を寄せた。大学教授と宗教家たちの時局宣言が重要な言路だったわけだ。1976年、ソウル明洞(ミョンドン)聖堂であった3・1救国宣言、1987年の6月抗争や教授時局宣言などは、歴史の流れを変えた事件に挙げられる。

◆過去の時局宣言は、絶対的権力に対する一種の抵抗手段だった。個人や集団の利益ではなく、ただ国民の意思に忠実であったゆえ、その声に力が加えられた。しかし最近は、エセ時局宣言が幅を利かせている。良心宣言ではなく「非良心宣言」である。国民的支持の表現だった時局宣言に便乗して、猫も杓子も名をあげようとしているかのようだ。韓米自由貿易協定(FTA)阻止、スクリーン・クォーター死守、生命と平和のための時局宣言…。特定集団の一方的な主張を時局宣言という言葉でもっともらしく包装されている。

◆全国教職員労働組合(全教組)の時局宣言に対して、最高裁判所が有罪判決を下したという。全教組が04年の第17代総選を控えて発表した時局宣言は、民主労働党を公けに支持したもので、これは公職選挙法違反だという結論である。明白な選挙運動をしながらも、時局宣言という言葉を取ってつけたのだから、実際は詐欺と大差ない。地方選挙を控え、詐欺性の時局宣言がまたどれほど溢れるのだろうか。

宋大根(ソン・デグン)論説委員 dKsong@donga.com