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[オピニオン]定年延長

Posted May. 10, 2006 02:59,   

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低出産は心配事だが、それでも未来の災いだ。当面は、仕事も収入もない老人福祉と扶養が大きな問題だ。低出産と高齢化が速い速度で進んでいるのに、壮年・老年層の働くところがない雇用構造が改善しないかぎり、韓国全体の状況はさらに深刻になる。だとすると、逆の発想も意味がある。壮年・老年層にも仕事を与えて、扶養福祉費も減らし、低出産による経済活力の低下も緩和することだ。

◆近年、ドイツは定年を67歳へ2年延長することにした。英国も65歳の定年を3年延長して68歳にすることにした。フィンランドは68歳まで働く老人に「ボーナス年金」を提供するという。先月発足したイタリアの新政権も、57歳の定年を3年引き伸ばす公約を掲げて政権交代に成功した。我々も欧州諸国が高齢人口を活用する知恵を学ばなければならないようだ。

◆米国は民間企業の65歳定年の枠組みをこれから20年にわたって67歳へ引き上げる予定だ。ベビーブーム世代が高齢化し、年金が爆発的に増えることに対応するためだ。日本は「高齢者雇用安定法」を見直して、60歳の定年を62歳へ引き上げて、13年までに65歳まで延長することにした。日本政府はそれに止まらず、企業に「70歳まで雇用するように」促していくことにした。ひいては、最終的に定年制を廃止して、誰もが望むだけ働ける社会を作っていくという目標を立てている。

◆日本企業は既に60歳以上の退職者を「スキルド(熟練した)パートナー」に再雇用して、かなり利益を得ている。トヨタ自動車が代表例だ。賃金は正社員の60〜70%だが、往年のベテランらしい老練美が、製品に滲みこむ。再雇用はしなくとも、三菱重工業、新日鉄、大和證券、横浜ゴムのような企業は、定年を徐々に延長している。「高齢の経験と知恵」を安く買って、高く売るわけだ。それで低出産で薄くなっている「青年の情熱と覇気」を埋めることができたら、一石二鳥の競争力強化だ。「50代定年」が固まってしまった韓国が注目すべきことだ。

金忠植(キム・チュンシク)論説委員 skim@donga.com