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[社説] 南北鉄道の試験運転、一過性イベントで終わってはならない

[社説] 南北鉄道の試験運転、一過性イベントで終わってはならない

Posted May. 15, 2006 03:10,   

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韓国と北朝鮮が一昨日、京義(キョンイ)線と東海(トンヘ)線の南北鉄道を25日に試験運行することで合意した。京義線の運行は、韓国戦争の真っ最中だった1951年6月12日に中断して以来、55年ぶりに再開される。試験運行とは言うものの、南北の和解と協力の次元で象徴的な意味が少なくない。一過性のイベントで終わらず、定期運行路線になるよう、南北がともに努力しなければならない。

北朝鮮が試験運行に合意したことは、来月の金大中(キム・デジュン)前大統領の訪朝を念頭に置いた蓋然性(がいぜんせい)が高い。京義線鉄道の連結は、00年の6・15首脳会談直後、第1回南北閣僚級会談で合意した初事業であり、金前大統領はたびたび、汽車に乗って再び訪朝したいという意思を明らかにしていたためだ。

重要なことは、北朝鮮が果たして、鉄道運行を物流増進という純粋な次元で受け入れているのかどうかだ。北朝鮮は、02年12月に京義線の全区間の工事が完了し、03年6月に鉄道軌道連結の行事まで行なったが、試験運行を延期してきた。合意しておきながら履行しなかったのだ。軍部が反対しているというのが、その理由だった。そのような北朝鮮が急に積極的に乗り出したため、疑念が高まっている。

多数の専門家は、金前大統領に対する礼遇を通じて、6・15共同宣言の実践意志を内外に誇示しようとする考えだとみている。6・15共同宣言の精神が「同じ民族」であり、南北が一つになって米国の圧迫に対立しようという意図が隠れているということだ。結局、金前大統領を利用して、韓国からさらに多くを得、韓米関係の隙間もあけるという政略的思考の延長と考えられる。

北朝鮮が、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が「北朝鮮に多くを譲歩する」と述べた「モンゴル発言」の直後に試験運行に合意したことも、釈然としない。北朝鮮はこれまでも肥料、食糧、道路舗装用ピッチなど、必要なものがある度に、韓国側に融和的な姿勢を見せてきた。したがって、韓国側の代価に対する疑念も解かなければならない。

一部の観測どおり、北朝鮮の軽工業活性化に必要な原資材を支援することにしたのか、それとも盧大統領が言及した「物的・制度的支援」なのか、政府は明確にしなければならない。一部ではすでに「選挙を控えた新北風攻勢」という批判が提起されている。このような疑念が解消されてこそ、鉄道試験運行が十分に評価を受けることができる。