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不妊の涙

Posted June. 13, 2006 03:08,   

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「不妊治療のための借金だけで1000万ウォンです。今回は必ず成功しますよ」

金ヒョンスク氏(仮名・27・女性)は10日、排卵誘導注射のため、蔚山市(ウルサンシ)のある産婦人科を尋ねた。排卵誘導注射だけでもすでに100回余りだ。

金氏は昨年、2回も人工受精に失敗した後、最後の拠り所として、今月初めに、試験管ベビーの手術を申請した。このために、これから排卵誘導注射を10回ももっとしなければならない。

2001年、夫(36)と結婚した金氏は、4代続いた1人息子である舅とを見る度に申し訳ない気持ちだ。

金氏は、1回の診療費と薬代だけで10万ウォン以上かかっており、人工受精手術費で200万ウォン以上を払った。夫は病院費を用意するために週末も休まずに働いたが、月給150万ウォンでは診療費を払うのは難しかった。

金氏は「各不妊家族は多くは数千万ウォンずつ借金をしている」とし「不妊治療は健康保険が適用されないため、負担が大きい」と話した。

不妊患者らは、金氏のように経済的苦痛まで強いられている。03年、韓国保健社会研究院が15〜44歳の可妊既婚女性6393人を対象に行った調査の結果、回答者のうち、26.6%が費用負担のため不妊治療を中断したと回答した。これらのうち、83.2%は不妊治療費用が家庭経済に深刻な影響を及ぼすと回答した。

人工受精は1回の手術費と薬代を合わせて100万ウォン余り、試験管ベビーの手術は1回の手術費と薬代を合わせて300万ウォン余りかかる。人工受精は普通8、9回、試験管ベビーの手術は3、4回受けると、姙娠に成功するというのが専門家らの話だ。

国民健康保険公団によると、病院を訪ねた不妊患者は、00年5万2816人から昨年13万2365人へと、6年間で倍以上増えた。彼らはますます出産率が落ち、高齢化社会の副作用が取り上げられる中、子どもがほしいにもかかわらず、高い費用の負担のために安心して不妊治療を受けにくい。

政府は今年465億ウォンを投入し、全国の不妊女性1万6426人を選定し、試験管ベビーの手術費で、1人当たり1年に最大300万ウォンまで支援することにした。

しかし、複雑な申請条件のため、締め切り日の先月31日までの申請率が78.9%にとどまった。申請基準は、月平均の所得が都市勤労者平均所得の80%以下(2人家族基準242万ウォン)である満44歳以下の不妊夫婦。

政府の支援は試験管ベビーの手術に限られている。京畿道城南市(キョンギド・ソンナムシ)にある、盆唐(プンダン)チャ病院不妊センターのチェ・ドンヒ(49・女性)教授は「試験管ベビーの手術は不妊治療の最後の段階」とし、「早期診断と排卵誘導剤処方、人工受精まで支援分野を拡大しなければならない」と話した。

保健福祉部・出産支援チームの金ヘソン(45・女性)チーム長は「赤字財政である健康保険で危急性の落ちる不妊手術を支援することは難しい。不妊夫婦への支援額を段階的に増やし、2010年には最大600万ウォンまで支援する計画だ」と話した。



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