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『あの時のあの日本人たち』

Posted August. 19, 2006 03:02,   

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私たちにとって日本とは何だろうか。8月15日、小泉純一郎首相の靖国神社参拝はこのような質問の重さを実感させられる。今、日本国内は靖国参拝問題をめぐって、国論分裂の様相を呈している。右翼的な参拝賛成論はさておき、日本国内で参拝反対論を叫ぶ人々は一体誰で、どうしてそのような立場を維持するのか。日本内部をより深く詳細にのぞき見る必要がここにある。

この本は、植民地時代前後の日本人たちが韓国をどう考え、韓国とどんな関係にあったのかを詳細に描写する。政治家、思想家、学者、文化人、宗教人など、当時日本を代表する72人の人物を通じ、日本人の韓国観と韓国と関連した生の一面を明らかにすることで、韓日関係史の隠された隅々に歴史の光を照らしてくれる。本に登場する人物たちは朝鮮総督で韓国を無慈悲に支配した者、韓国文化財を掠奪した収集家、朝鮮の白磁に溺れた美術史家、植民地の民衆のために努めた弁護士など多くの分野にかけて幅広い。このような点で韓日関係史の豊かで盛りだくさんの裏面をおもしろく見せてくれる本だ。

一番目の人物は、征韓論を主張して権力闘争で押された西郷隆盛。次に「朝鮮を取ることこそ神聖な道」と主張した吉田松陰、日本では近代思想の先駆者として崇められたが、アジア蔑視の理念を提供したとも評価される福沢諭吉、韓国統監として悪名高い伊藤博文などが登場する。韓国強制占領に関与した人々を先に取り上げたのは、日本人の間違った韓国観のルーツを捜すためだ。

殖民時代を通じ一攫千金を夢見て韓半島に入ってきた人々も多かった。小倉武之助は韓国文化財を手当たり次第に収集して小倉コレクションを作った。たとえ少数ではあるが、韓国に憐憫と愛情を持った人々、民族を超えて人間の尊厳という原則を守った日本人たちもいた。山崎今朝彌や布施辰治などの人権弁護士は民衆の権利のために献身した。韓国の孤児の面倒を見るのに一生を捧げた田内千鶴子、韓国人被爆者の恨を胸に抱えこんで彼らの権利のために百方努力した松井義子などは民族を超えて普遍的なヒューマニズムを実現した。

編著者の館野皙氏は、朝鮮を搾取した悪人、残酷な殖民統治に反対した善人として、日本人の両面性を同時に現す。著者はこれと共に、歴史的な制約の中で本人らの限界を認識さえできずに亡くなった多くの人間群像をよく見る機会を用意したことに満足感を示している。もちろん、韓国人の立場では過去の日本人の行動を寛大に見ることができない。しかし、この本の試みのように、多彩で多様な視線で日本人の実体を把握することこそ、最近のように反日の雰囲気が高まっている時にもっと必要なのではないか。

李ウォンドク国民(ククミン)大学日本学教授