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[社説]「失われた10年」はともかく「残りの1年半」をどうするのか

[社説]「失われた10年」はともかく「残りの1年半」をどうするのか

Posted August. 26, 2006 03:22,   

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与党ヨルリン・ウリ党の金槿泰(キム・グンテ)議長は一昨日、「この10年間、民主主義の改革勢力は、国民生活の問題に無能だった」とし、金大中(キム・デジュン)—盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の政権期間を「失われた10年」と述べた。そして民生を重視する実用路線の必要性を強調した。至極当然の言葉だ。問題は、現政権の「残りの1年半」が心配されるという点だ。

与党の金議長と康奉均(カン・ボンギュン)政策委議長らが掲げた「経済活性化に向けたニューディール政策」だけをみても、青信号と赤信号が同時にともり、進むのか止まるのかわからない。盧大統領は、企業の意欲を高め、市場原理に合った政策をするよりも、「衝撃と抑制」で市場を治めようとする「無謀な冒険」に明け暮れた。そうしながら、「私の任期中は、経済のことは心配するな」と大口をたたいたものの、いざ投資と消費と雇用は海外に逃げた。改革と分配と均衡を掲げ、「庶民のための政治」を叫んだが、経済の基礎原理までも無視した独善は、国民を苦しめただけだった。

康政策委議長は一昨日、出資総額制限制、大企業への規制を重視した公正取引政策の運用、首都圏の規制を「3大投資障害」と規定し、出資規制を年内に解くと発言した。ニューディー政策の一環である。与党のこのような変身は歓迎に値する。しかし大統領府は、「アイデンティティ」を掲げ、足をすくおうとしている。競争力と成長潜在力を高められないまま、空虚な政治的スローガンを繰りかえしては、民生を活性化させることはできないという事実を3年半の間確認しても、左派的アイデンティティの呪術から脱することができないようだ。

決然とした行動でこれを突破しなければならない与党も、「絶対ニューディールをあきらめない」と遠回しに言うだけで、具体的な行動は見えてこない。盧大統領と「階級を離れて議論する」と言った金議長の豪語はどこに行ったのか。

私立学校法(私学法)では、与党が大統領府の足を引っぱる拍車の合わない様相をもたらしている。ウリ党は、大統領府の私学法改正要請を「党のアイデンティティに反する」という理由で、2度も拒否した。反憲法的毒素条項だらけの私学法を改めないという頑固さは、「実用」を口にしながら「コード」を捨てないという二重性を表す証拠の一つだ。

戦時作戦統制権返還など外交安保事案においては、国民の安全で賭けをする「左派冒険主義」を捨てない大統領府と与党だ。最近、軍の元老たちが「作戦権返還は人気迎合主義であり『戦争抑制保険』を放棄することだ」と指摘するや、金議長は憤激した。これでは、「右折ウィンカーをつけながら左折する」という批判が出るのは無理もない。

「海の物語」問題は、与党の国家運営能力の不在、道徳性の欠如、そして貪欲と腐敗を総体的に表している。全国に「賭博狂風」が吹き荒れるようにしたギャンブル娯楽の問題点については、すでに1年前から様々な警告音が鳴っていた。昨年6月には、野党議員たちが国会に監査請求要求案を出し、ソウル興士団も今年6月、監査院に国民監査を請求した。国家清廉委員会は5月、映像物等級委員会と娯楽業社間の癒着が深刻であることを大統領府に報告した。国家情報院も先月、「組職暴力勢力が商品券の流通網を掌握し、成人ゲームセンターなどの脱税が年間8兆8000億ウォンにのぼる」という報告書を大統領府に出した。

これを放置または煽った政権が、まともな政権であるはずがない。そのうえ、権力核心の関係説が起こっているにもかかわらず、盧大統領は「政策の誤り以外に、国民に恥ずべきことはない」と平然と述べている。無能と無責任の極致を見ているようだ。このような政権と残りの1年半をともにしなければならないと思うと、暗澹(あんたん)たる気持ちにならざるを得ない。

ウリ党の金議長は、「失われた10年」に共同責任がある。今からでも経済活性化のために乗り出すなら、確かな態度と哲学を示さなければならない。私はしようと思っているのに、政府が言うことを聞かないと逃げ道を作っては、さらに国民を欺く詐欺劇になるだろう。

ハンナラ党も、「火事が起こった家ではぜを拾って食べる」といった日和見主義から脱し、経済と民生を活性化させる政策推進で、リーダーシップを示さなければならない。野党ハンナラ党の姜在渉(カン・ジェソプ)代表は、ニューディール政策について、「与党と大統領府がまず合意せよ」と述べたが、これは見物人の姿勢にすぎない。まず、与党に政策大妥結を提案することはできないのだろうか。究極的に、誰が民生のための政治をするのか、国民は判断するだろう。今「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領府」よりも次期政権を競争する与野党のリーダーシップが切実になっている。