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[オピニオン]奇妙な李在禎氏

Posted November. 16, 2006 06:12,   

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李在禎(イ・ジェジョン)統一部長官内定者が昨日、ある講演で、「ブッシュ政府は、北朝鮮の体制崩壊を追求する政策から脱しなければならない」と述べた。講演は英語に行われたが、李内定者は、「崩壊」を「叩き壊す」と言う意味を持つ「デモリション(demolition)」と表現した。米国の政府関係者が聞けば、さぞかし驚くことだろう。「体制変化(regime change)」という言葉も強すぎると言って、「体制行動の変化(change of regime behavior)」という言葉に変えたが、米国が北朝鮮を「叩き壊す」とは、普段米国に対する認識がどんなに否定的なら、そんな言葉が出るのだろうか。

◆民主平和統一諮問会議首席副議長である李内定者は、韓米同盟についても、「緊密な両国間の協力は必要だが、それが韓国の国家的運命を決定するうえで妨害になってはならない」と述べた。この言葉も理解し難い。李内定者が考える「国家的運命」は、「南北による統一自主政府の樹立」かも知れないが、今の状況でそれが可能だと信じるなら、実に観念に陥った中途半端な統一至上主義者である。北朝鮮の核実験を前にして、このような言葉が出るのだろうか。

◆李内定者は、聖公会(ソンゴンフェ)神父出身の政治家で、北朝鮮を深く研究したことも、北朝鮮と直接対したこともない。在野時代に統一運動をしたというが、「統一運動をしなかった方がむしろ良かった」と言う人もいる。わからなければ学ぼうとする謙虚な姿勢でも持つようになり、それだけ失敗も減るということだ。統一部長官が容易な席ではないにもかかわらず、「生兵法は怪我のもと」と言うように、生半可に知った人が必ず事故を起こすものだ。

◆学界で北朝鮮専門家として認められている李鍾奭(イ・ジョンソク)現長官ですら、任期中にまともに成し遂げたことがないほど苦戦した。さらに統一部長官は、大統領が任命すれば、国家安全保障会議(NSC)の常任委員長として、外交安保政策を総括しなければならない。「米朝関係の正常化を米国がなぜ背を向けるのか疑問だ」という李内定者が、その仕事をやりこなせるのか。17日に国会人事聴聞会が開かれるというが、実に心配される。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員 eligius@donga.com