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韓国の50代「僕らの人生はもう晩秋」

Posted November. 16, 2006 06:12,   

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「住宅価格が上がりすぎたよ。融資でもして、中大型マンションを購入しておいたなら、老後の心配はしなくてもすんだのに…」(公企業部長のK氏)

「母親が入院していて、一月150万ウォンも仕送りしなきゃならない。子供たちの結婚もあるし。なんでぼくたちは上の世代と下の世代の板ばさみになって、責任だけ負わされているのかな。でもマンションが大きく値上がりして、頼りにはなりそう」(中小機械部品工場を経営するP氏)

「ほら、僕の幼馴染は3年前に買った盆唐(ブンダン)のマンションが今は20億ウォン以上もするそうだよ。老後の準備はそれでもうできているんじゃない」(企業経済研究所の研究員として1ヶ月前に退職したJ氏)

全国が不動産の嵐に包まれていた今月はじめ。

ソウル弘益(ホンイク)大学前のある焼く肉屋で、大邱(デグ)D高校の同窓5人が、焼酎を飲んでいた。韓国戦争直後の混乱で、きちんと出生届けができず、住民登録上の年齢は2、3歳違いはあるが、実は53年生まれの53歳の同じ年齢だ。

すでに退職した同窓たちもいて、話は自然に「老後の準備」に流された。

「貯金の金額がどれぐらいあるか」とそっと探りを入れた同窓たちは、「自宅の値段がどれぐらいするか」によって表情がさまざまに変わった。

公企業部長のK氏は、「ここ1年、あれこれ考えてみたが、この年齢で退職したら、できることがガソリンスタンドでの給油や警備の仕事しかない」とし、「自宅が数億ウォンも値上がりしたやつは、僕の前で老後という言葉も口に出すな」と声を荒げた。

「中小企業の社長」で、退職の心配のないP氏も、「自分の人生は間違っていた」とため息をついた。

「月に100万ウォンぐらい使えるほどの貯金があれば、ある程度老後の準備はできたものだと考えていたが、それは錯覚だった。寿命が長引くにつれて、今まで用意しておいた老後の資金では当てにならない」

ため息の最中、中央省庁の公務員であるもう一人のK氏は、「でも50年代に生まれた僕たちは幸せなほう」と友人たちを慰めた。

「僕らの世代は貸家を転々しながらも、節約すれば何とか自宅一軒ぐらいは持てたじゃないか。住宅が値上がりしておのずと資産も増えたし…。でも、このごろの若者はいくら貯蓄してもマイホームを持つのは無理だよ」

2時間あまりが過ぎて、空の焼酎ビンが増えると、彼らは、「カラオケでも行って歌でも歌おう」と席を立った。

韓国の50代。

46〜57年に生まれた彼らは513万人だ。06年現在、全人口の11.3%を占めている。

経済開発の主役で、青年期と中高年期を送りながら、自力で資産を増やしてきた彼らは、全国土地の26.5%を所有しており、40代や60代より「経済的に余裕のある」世代だ。

しかし、当の50代は岐路に立たされている。体力は急激に落ち、家庭での権威は揺さぶられ、職場ではいつリストラされるか分からず、おずおずしている。かれらは40代に見舞われた金融危機によって、過去についてのプライドや、未来への自信を共に奪われた。

頂上まで上がったものの、これからは下る道しか残されていない韓国の50代。

今の50代は、ほかのどの時代の50代とも違う人生を迫られている。