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カーレーサーになった女優・李ファソン

Posted November. 18, 2006 04:17,   

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体感温度が氷点下に落ちた16日午後、自動車競走専用競技場である京畿道竜仁市(キョンギド・ヨンインシ)のスピードウェー。「バービー人形」そっくりのある女性カーレーサーが、疾走するレーシングカーを眺めながら独り言を言っていた。「ああ、この匂い、このサウンド…」

この美女カーレーサーは、スーパーモデル出身俳優の李ファソン(26)。

「匂いとは、何の匂いですか」初対面であいさつも交わす前に唐突に聞いてみた。李ファソンは、「タイヤが燃える匂いです。本当にすごいでしょう。そして、この音も。競技場へ来れば本当に興奮します。私も早く練習したいのに、早く順番が回って来ませんね」と答えた。

競走車が急に加速する時や制動の時、路面との摩擦で出るむかむかするタイヤの燃える匂いを楽しむとは。この言葉で李ファソンは確実に「真のカーレーサー」ということが証明された。

李ファソンがカーレーシングに関心を持つようになったのは、わずか2年前の04年晩秋。大学1年生の時(1998年)に取った運転免許証は引き出しの中にずっと入れっぱなしで、自動車競走は、「他人事」だったという。当時は、むしろオンラインゲームに夢中だった。

00年、SBSスーパーモデル選抜大会で入賞し芸能人になった彼女は、ゲーム専門放送で自分の名前をかけたコーナーを受け持ったことがきっかけになり、お母さんに食事までパソコンまで運んでくれるよう頼むほどゲームに没頭したそうだ。そうしていたある日、オンラインゲームの「リニージ」をしている途中、偶然、芸能人カーレーサーで有名な李セチャンと同じ「ヒョル(同盟)」で会い、オンラインチャットでカーレーシングを勧められたと。

「セチャン:ファソン、カーレーシングはすごく面白い。君も一度やってみれば分るはず」

「ファソン:先輩、私はペーパードライバーです。やっと運転練習しているところです」

「セチャン:カーレーシングではパーキングするため後進する必要もなく、ずっと前進だけすればいい。では競技場で会おう」

それで、芸能人レーシングチーム「アルスターズ」に入団した李ファソンは、練習初日、大型事故を起こした。初めて競走トラックに出た彼女は、防護壁として積んでおいたタイヤを突き飛ばし、それだけでなくタイヤを乗り越え競技場の鉄条網をくぐって出た。1995年、竜仁スピードウェーが出来て以来、レーシングカーが競技場の鉄条網までくぐって出たのはそれが初めてだった。

しかし、「スポンジが水を吸い込むようだ」と言ったレーシング大先輩李セチャンの言葉通り、李ファソンの実力は急速に伸びていった。05年、クリックスピードフェスティバルシリーズの7競技に相次いで出場し、優勝2回、準優勝2回で、シリーズ統合第3位に上がった。すると、チームでのニックネームも「うすのろ」から「福をもたらす子」に変わったと。鉄条網事件以外に他の事故はなかったのか。ないはずがない!当年11月、最終7次戦で速度に勝てず、競走車を2回半も転がす事故を起こし、競走車を廃車させた。身体は全然怪我せずに…。

今年は、映画出演などスケジュールが忙しく競技に出場できなかったが、毎月1、2回の練習には欠席したことがないという李ファソンは、「疾走本能」をこらえきれず、26日の競技に参加申請し、猛烈に練習中だ。



jeon@donga.com