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[社説]李在禎統一部長官強行の危険なメッセージ

[社説]李在禎統一部長官強行の危険なメッセージ

Posted December. 12, 2006 06:56,   

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盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、国会人事聴聞会で、国家観と安保観に深刻な問題点が表れた李在禎(イ・ジェジョン)前民主平和統一首席副議長を昨日、統一部長官に任命した。大韓民国の伝統性には懐疑的な認識を示し、北朝鮮に対しては無批判的な態度で一貫した李氏の任命を強行することで、国民世論と対北朝鮮協力体制の回復を期待する国際社会に背を向けたのだ。

李氏は聴聞会で、韓国戦争の南侵問題を問う質問に、「ここで規定して言うのは適切ではない」と答えた。金日成(キム・イルソン)については、「歴史が評価することだ。まだ過去のことが整理されていない」と述べた。韓国戦争を「統一内戦」として大韓民国の伝統性を否定する親北朝鮮左派学者の講義を聞くようだ。彼は、北朝鮮の人権蹂躙についても「証拠がない」と述べた。

他の講演の席では、北朝鮮の核実験について、「他の国の例に照らして必然的であるため、拡大解釈する必要はない」と言ったこともある。北朝鮮の核開発が必然なら、1991年の「韓半島非核化」宣言は何のためのものだというのか。結局、「米国の圧迫が核開発の原因」という北朝鮮の主張に同調する論理であり、対北朝鮮国際協力に参加しないという宣言も同様だ。

李氏の行動は、「道徳的優越性」を強調してきた現政権のスローガンとも反する。彼は、2002年の大統領選挙当時、「10億ウォンの不法資金」に関係し、実刑宣告を受けた後、公職引退を宣言した。また、「兵風捏造事件」を起こした金大業(キム・デオプ)氏に会い、「歴史の大業を果たした」と激励したりもした。これだけでも大きな欠格事由である。このため、彼の統一部長官任命を強行したことは、「来年の大統領選を控えて、南北首脳会談の下地をつくるため」という声が聞こえている。

強力な北朝鮮制裁を主張する米国や日本などへの反抗とも映る恐れがあり、心配される。盧大統領が、北朝鮮に対する内在的接近を強調する李氏を統一部長官に任命したことは、「北朝鮮がミサイルを発射しようが、核を開発しようが、『同じ民族』が助け合って暮らす」という固執と読めるためだ。北朝鮮の核を頭に載せて暮らすことになった国民としても、これ以上に危険なメッセージはない。